メギド72:【バエル・ムルムル・ウァプラ・ループ】

 バエルのもとへ集え!

構築紹介

[

ムルムル+火のザウラク
 コンボパーツ1。アタックフォトン供給。

フォラス+ボーパルバニー
 コンボパーツ2。覚醒・全体化用。

バエル+地龍アテルラナ
 コンボパーツ3。ダメージソースでもある。

ウァプラ+ヴァジュラ
 コンボパーツ4。

インプ+水樹ガオケレナ
 自由枠。対アトラロック(うろおぼえ)用だったから感電要員としてインプを入れていた。汎用枠で言えばカバー役、カバーする必要もないような相手ならチャージチャージアタックで奥義撃てる強いアタッカーを適当に入れるとよいです。

戦術解説

 バエルに全体化をかけて、バエル、ムルムル、ウァプラの奥義を所定の順番で使用するとループする。いつだったかのアップデートで1ターンに使用できるフォトンの数に制限がかかったので、ループと言っても奥義数回分程度である。
 具体的には3ターン目に以下の状態にすることを目指す。

  • バエル、フォラス、ムルムル、ウァプラ覚醒
  • バエルにバエルスキル(チャージ強化)

 4柱も覚醒させると書くと大変に見えるが、ボーパルバニー2回で2ずつ、ウァプラ奥義で2ずつ溜まることが確定しているため、実質意識して溜める必要があるのは1ターン目のウァプラ2、フォラス1、バエル2のみ。

1ターン目

 ここでスキルフォトンが出まくると辛い……バエルスキルでチャージ強化をしてごまかす場合がある。

2ターン目
3ターン目

 この組み合わせで使うと、ウァプラ奥義でチャージフォトン、全体化バエル奥義でチャージフォトン、ムルムル奥義でアタックフォトンが全体に配られ、チャージチャージアタックでそれぞれが奥義を使用し続ける(バエルはチャージ強化で3溜まる)ループが発生する。

コメント

 3ターン目に始動できないとむしろつらい(バエルスキルの継続時間が足りなくなるのと、余ったフォトンの用途がない)。
 超幻獣戦で使ったが他の使いどころがあるかというとどうだろう。リリィとか?

ダブルクロス相対性理論

ダブルクロス相対性理論とは

 ダブルクロス相対性理論。『ダブルクロス The 3rd Edition』(以下「DX3」)におけるキャラクター作成には多くの要素が絡んでくるが、これらの強さはほとんどが相対的なものである、とする考え。例えば範囲攻撃を行うエフェクトを採用したとして、エネミーが複数体ひとつのエンゲージに固まっていなかった場合、役に立たない。装甲を無視するエフェクトは相手が装甲を持っていなければ役に立たない。
 そしてDX3というゲームでは、ほとんどの場合、キャラクター作成時にエネミーの情報が開示されることがない。つまり我々は誰と戦うかわからないまま有利不利を争うゲームにその身を投じているのである。
 この理論では、特定の効果を否定したり、弱いと決めつけたりはしない。ただあくまでそれらの機能は相対的なもので、役に立つかどうかの度合いがモノによって異なってくるということを改めて確認することとする。

主な比較

キャラクターの要素 比較対象 信頼度
攻撃力 エネミーのHP
判定ダイス/達成値 エネミーのリアクション、判定妨害の有無
【行動値】 エネミーの【行動値】 中~高
範囲攻撃 エネミーの数およびエンゲージ
複数体/シーン攻撃 エネミーの数 中+
装甲/ガード/ダメージ軽減 エネミーの攻撃力、攻撃対象、装甲無視/ガード不可の有無 低~中
ドッジ エネミーの攻撃対象、命中判定 低~中
反撃 エネミーの攻撃対象
判定妨害 エネミーの判定ダイス/達成値 低~中
装甲無視/ガード不可 エネミーの装甲/ガードの有無
バッドステータス付与 バッドステータス無効エフェクトの有無、他

 ここで言う「信頼度」は強さでなく「役に立つ機会の多さ」を筆者の独断でランク付けしたものである。「中~高」や「低~中」としているものは、それに経験値を多く費やせばそれなりに役立つ機会も増える、というような意味合い。

個別解説

攻撃力(信頼度:高)

 攻撃力が全く役に立たないという場面はほとんどない。例えばHPが10しかいないエネミーが複数出てくるとか、HP少ないけどめちゃくちゃ蘇生してくるとかだと流石に《プラズマカノン》(EA p.110)はいらなかったかなとかなるかもしれないが、シナリオの多くはHPの高いボスが存在する。高火力単体攻撃はDX3というゲームにおいて最も信頼できる要素のひとつと言っても過言ではなかろう。

判定ダイス/達成値(信頼度:高)

 判定ダイスの数と達成値を直接稼ぐのとは両方とも命中判定にかかる部分なのでひとくくりにした。先の「攻撃力」にも影響する部分であり、ダイス数や達成値を増やして無駄になるということはない。
 逆に軽視した場合のリスクとしては、敵がドッジしやすくなるとか、ダイス/達成値減少系の判定妨害を受けた際に命中しないという点などが挙げられる。このため「攻撃力」よりは相手に多少依存する。

【行動値】(信頼度:中~高)

 原理はいたってシンプルで、とにかくエネミーより早く動ければよい。経験点を振った上でエネミーより遅いと振った分がまるで無駄になる。相手が元々遅かった場合も同じ。つまりは目に見えないハードルを勘で飛ぶしかないというのがこの【行動値】の悩ましいところである。
 「中~高」としたのは、例えば《先陣の火》(EA p.107)をLV3で取得するとかすれば流石に先手を取れる機会も増えるだろうとかそういうレベルの話。仮想敵を決めるとかで調整できなくもないが……不毛である。

範囲攻撃(信頼度:中)

 エネミーがひとつのエンゲージに複数いないと役に立たない。この辺りからGMの癖とかシナリオの組み立て方とかとの兼ね合いになる。下に示す装甲とかと違って範囲攻撃は「持っていない状態でその状況に遭遇すると困る」「役に立った場合のリターンが大きい」ので、信頼度「中」ではあるものの、PTに1人いるとありがたいポジション。
 あと一応【行動値】にも依存する。相手が突っ込んでくる前に撃てるか、相手が動く前に始末できるかは大きい。

複数体/シーン攻撃(信頼度:中+)

 ほぼ同上。ただしエネミーのエンゲージ状況に依存しないので範囲攻撃よりは信頼度が高い(よって「中+」とした)。ボスひとりしか出てこないシナリオだと腐る。
 こちらも信頼性はともかく役に立った場合の役立ち度が非常に高い。複数体/シーン攻撃を行える効果自体も貴重なので、それだけでキャラクターのコンセプトにする価値がある。

装甲/ガード/ダメージ軽減(信頼度:低~中)

 全く攻撃してこないエネミーはそう多くないため、装甲やガードは常に一定の価値がある。ただしそれは自分を攻撃してくれる場合の話。単体攻撃が他のPCに向くなどして攻撃されなければ宝の持ち腐れだ。カバーリングや攻撃誘導系の効果を併用すれば信頼度は上がる。ダメージ軽減(あるいは攻撃力低下)の場合、味方に飛ばしたり、敵の攻撃力自体を削いだりできるので、装甲/ガードよりは役立つ機会が多い。
 一方でエネミーの攻撃力がべらぼうに高い場合などは生半可な数値だと意味がない。これに関してはもうGMの趣味が噛み合うことを祈るしかない。
 なお装甲やガード、ダメージ軽減等の防御手段はシナリオを前に進めることに直接貢献しない。守りだけを固めてもゲームはクリアできない。このため、別になくても困らないし、これだけに傾倒すると肝心の攻撃手段が疎かとなって結果的に普通に攻撃するよりも多くの被害が出ることになる。この辺りはまた別の記事で書きたい。

ドッジ(信頼度:低~中)

 めちゃくちゃに特化すればどんな攻撃でもドッジできるようになるかもしれないが……ドッジするだけでは勝てない。味方ごと守る、《朧の旋風》(EA p.132)のようなエフェクトと組み合わせる、浮いたタイタスを攻撃に回す、等の工夫がほしいところ。

反撃(信頼度:中)

 《復讐の刃》(EA p.60)や《暗黒螺旋》(EA p.29)といった反撃系エフェクトは、単に「使えれば強い」という話に帰結する。攻撃されなければ使えないという点では防御系の効果と同じだが、あちらと違ってちゃんとシナリオを前に進めることに直接貢献するので、そういう意味での有用性は高い。

判定妨害(信頼度:低~中)

 オートアクションで、あるいは命中によりシーン中(ラウンド中)継続してダイスや達成値をマイナスする効果全般。うまく判定を失敗させた場合のリターンは装甲やガードよりも大きいが、ボスはダイスの数もそれなりだろうし、やはり生半可な数字では意味がない。というかこの手のキャラクターが猛威を振るうとボスが何もせずに死んでしまうので対処法を搭載しているケースも多々あるものと思われる。そういう点では二重にGM泣かせだ。
 ちなみに《時の棺》(EA p.33)は使うとほぼ確実に効力を発揮する上に判定をしないエネミーというのも中々いないだろうから一般的な判定妨害と同じランクで語るのはナンセンス。強いて信頼度を付けるとすれば「超高」。

装甲無視/ガード不可(信頼度:低)

 ここまでくるともうピンポイントの対策札である。文脈としては「攻撃力」の仲間になるがいかんせんエネミー(GMの趣味)への依存度が高い。また相手の装甲やガード値がある程度高かったとしても「攻撃力」自体を上げて上から殴れば済む話なので、敢えてこれでなければならないという機会は非常に限られる。相手が《竜鱗》(EA p.61)LV5を持ってるとかね。
 ただしこの手の効果は何かの「ついで」に付いてくると俄然評価が変わってくる。《サイレンの魔女》(EA p.75)然り、《クリスタライズ》(EA p.85)然り。「技能:シンドローム」のエフェクトを使うための足掛けとして使う《ペネトレイト》(EA p.84)なんかも普通に有用なので、サブウェポンにはサブウェポンの使い方がある、といったところか*1

バッドステータス付与(信頼度:?)

 GMが《状態復元》(EA p.162)をエネミーに搭載するタイプの人間かどうか、ただそれだけのような気がしている。仮にあったとしてもHPを減らせるので全くの無駄というわけでもないのだが。文化圏によっては全エネミーに搭載するのがデフォルトみたいなことも耳にした。
 実際バッドステータスの内容自体も基本的には「判定妨害」とかの仲間なのでやはりエネミーの特性に大きく依存するであろう。常に役立つのは「邪毒」くらいかな。

その他

 《マシラのごとく》(EA p.77)や《リミットリリース》(EA p.78)といったシナリオ一発の大技は、攻撃力という観点からすれば信頼度が高いが、ダメージ無効等の防御側の大技を合わせられると悲しいことになるリスクが常に伴う。

 また、相手に依存しない、使えば確実に効力を発揮するタイプの効果もある。先に出た《時の棺》もそうだし、《時間凍結》(EA p.33)《ライトスピード》(EA p.77)のような能動的に使える複数回行動も基本的に使えば使うほど強い。これらの場合、エネミーというよりはPT全体の侵蝕率増加バランスとの兼ね合いを考える必要がある。

総評

 このダブルクロス相対性理論という概念を一度示しておくと今後様々な考察ないしキャラクターシートの記事を書くにあたって便利かなと思って書いた。普通にダブルクロスをプレイするにあたって考える必要はないことなので、どうでもいい人は気にしなくていいと思います。

*1:とは言ったものの、このケースだと相手が装甲を持っていないと分かったとしても《ペネトレイト》を使わなければならなくなる。それはそれでどうなんだ。

ダブルクロス:Dロイス研究・ダイス編

 Dロイスの選び方には大きく分けて2種類ある。Dロイスがなければ成立しないキャラメイクと、Dロイスなしで基本パーツが完成しており、Dロイスで欠点を補う又は長所を伸ばすキャラメイクだ。前者は例えば「必中の弓」(HR p.91)をはじめとした「遺産」をメインに据えたアタッカーや「財閥援助」(HR p.115)を使ったコンボなどがこれにあたる。一方後者は、「対抗種」(LM p.62)や「雷神の槌」(RW p.56)といった外付けの強化手段としてのDロイス運用をする場合である。
 今回は、なんとなくダイスが足りていないと感じた際にDロイスで補う手段を考える。

  • 基本はサプリメント掲載順。ただし亜種Dロイス等は元となるDロイスの直後に示す。
  • 通常ステージで使用できないもの、FH専用のものはとりあえず除外する。

相場

 係数1のエフェクトをLV4で取得すると経験点30点で+4個。サプリメントが許す環境であれば「ストレンジフェイズ」(HR p.88)の15点+3個や「エンチャント」(BC p.70)の10点+2個が主な比較対象となる。Dロイスの相場は経験点で言うところの30点前後だと考えているので、最低でも4個はほしいところ。

No.05 実験体 LM p.63

  • 増加個数:4(任意の能力)
  • メリット:能力値自体を上昇させるため、副能力値に恩恵がある。
  • デメリット:侵蝕率基本値+5。

 おなじみ実験体。【感覚】を増やすと実質【行動値】+8も付いてくるのでパフォーマンスがよい。

No.HR22 懐刀 HR p.107

  • 増加個数:3+2(任意の能力)
  • メリット:能力値自体を上昇させるため、副能力値に恩恵がある。
  • デメリット:侵蝕率基本値+3。アッシュ・レドリックと絡む設定が必要。

 「実験体」の亜種。増やせる値は1少ない代わりに、強化効果が発動すれば配分した能力による判定のダイスがさらに2個増える。
 全部同じ能力に振った場合、副能力値の増加分で劣るが、ダイスの数だけで見れば+5個となりこちらが勝る。また別々の能力に割り振ったとしてもそれぞれ強化効果が適用されるため、例えば【社会】に1だけ振っておくと判定ダイスが+3個となり情報収集や購入で役立つなどの利点がある。総じて優秀だが、アッシュ・レドリックは扱いが難しいのでどうやってリレーションロイスを取るかが一番の難関かもしれない。

No.98 遺産継承者 ⇒ ジュラシックレコード HR p.91

  • 増加個数:2(任意の能力)
  • メリット:能力値自体を上昇させるため、副能力値に恩恵がある。装甲値+10。武器が付いてくる。
  • デメリット:侵蝕率基本値+2。火を恐れるようになる。

 メダル特効が付いてそうな斧。2しか増えないが武器と装甲が付いてくる。【肉体】を増やす場合HPもそれに応じて増えるのでタフなアタッカーが作れる。
 なおこれに限らず遺産継承者専用アイテムは「遺産の器」(HR p.103)経由で取得することで、侵蝕率基本値+5及び強羅瑠璃との関係性が必須になることと引き換えに常時判定ダイス+1個というなかなかの恩恵を得ることができる。

No.98 遺産継承者 ⇒ 天空の隼 GFE37 p.107

  • 増加個数:2(【感覚】か【精神】)
  • メリット:能力値自体を上昇させるため、副能力値に恩恵がある。達成値+4。武器が付いてくる。
  • デメリット:侵蝕率基本値+5。完全な闇が苦手になる。

 これ隼の像で攻撃してんの?的な謎の射撃武器。通常は【感覚】に振ることになると思われる。トータルで見ると明らかに優秀だが、ダイス増加としても【行動値】増加としても半端で、武器としての性能だけなら「必中の弓」の方が強いという悩ましいポジション。どうしてもダイスか【行動値】がちょっと足りないときに使うか?

No.06 戦闘用人格 LM p.63

  • 増加個数:5(あらゆる判定)
  • メリット:攻撃力+5が付いてくる。
  • デメリット:侵蝕率100%以上でないと有効にならない。バックトラックにデメリットがある。

 ダイス5個に攻撃力まで付いてくるのはここに並べた中でも特に優秀。ただしほぼクライマックス専用でしかもデメリットがある。
 侵蝕率によるボーナスとあわせると実に8個も増えるためミドル戦闘さえどうでもよければ元々の判定ダイス4個とかでもそのまま実用レベルまで持っていける馬力がある。

No.HR18 悪魔の子 p.110

  • 増加個数:3(あらゆる判定)
  • メリット:条件付きだが、攻撃力が付いてくる。
  • デメリット:侵蝕率100%以上でないと有効にならない。春日恭二と絡む設定が必要。

 侵蝕率が120%を超えるとダイス3つに加え「対抗種」(LM p.62)相当の火力ブーストが乗り大変ご機嫌なことになるが、逆に言うと、そこまで行かなければ「戦闘用人格」でいい。
 メモリーを駆使して積極的に侵蝕率を上げる構築にするとか悪いことは色々できそうである。 

No29 光使い ⇒ 《光の指先》LM p.75

  • 増加個数:LV+2(組み合わせた判定)
  • メリット:最大レベルや侵蝕率による伸びしろがある。
  • デメリット:エフェクトなので組み合わせる必要があり、侵蝕値もかかる。

 エンジェルハィロゥ専用Dロイスとエフェクト。LVを上げずとも+3(4)個と及第点。しかし通常のエフェクトでも+[LV+1]個や+[LV+2]個のものがあることを考えるとあまり効率がよいとも思えない。しっかり噛み合う構築があれば。

No.40 器物使い LM p.80

  • 増加個数:3(一体化したアイテムを使用した判定)
  • メリット:ガード値が付いてくる。
  • デメリット:素手にデメリットが付く。アイテムを使用した判定にしか効果がない。

 エグザイル専用Dロイス。「一体化したアイテム(コネ不可)を使用した判定」とかいうふわっとした条件。基本的には武器やヴィークルを使用した攻撃に乗ると考えてよいだろう。
 コネ以外なら何でもいいので「能力訓練」(IC p.85)と一体化することで任意の能力を利用した判定も+3個できる。能力訓練と一体化って何?

No.46 達人 LM p.83

  • 増加個数:2(選択したエフェクトを組み合わせた命中判定)
  • メリット:攻撃力が付いてくる。
  • デメリット:選択したエフェクトの侵蝕値が増える。

 ノイマン専用Dロイス。侵蝕値が2も増えるのにダイス2個に攻撃力+5はわりに合わんのでは?
 エフェクトをピンポイントで強化するという点では貴重な効果であり、例えば《黒の鉄槌》(EA p.30)にこれをあてて《迎撃する魔眼》(HR p.77)の足しにするとかそういうテクニックもなくはないが、シーン中やラウンド中継続するバフを使えば近しい効果を得られるので特に言うことはない。

No.HR14 原初の子 HR p.109

  • 増加個数:2(選択したエフェクトを両方組み合わせた判定)
  • メリット:攻撃力が付いてくる。選択したエフェクトの侵蝕値が減る。
  • デメリット:アルフレッド・J・コードウェルと絡む設定が必要。

 選択するエフェクトが1つだと侵蝕値が増えるのに2つだと減る。上げ幅はダイス・攻撃力ともに地味だが侵蝕値が減る効果がわりと他に類を見ない感じ。合計-2だから、5回攻撃できれば-10でメモリー1個分。……これはメモリーが強すぎるだけである。

No.50 究極のゼロ LM p.85

  • 増加個数:3(《コンセントレイト》《リフレックス》を組み合わせた判定)
  • メリット:特になし。
  • デメリット:組み合わせた判定の侵蝕値を+1する。

 サラマンダー専用Dロイス。アルティメットトリガーロックオンしそう。シンドロームが違うとはいえ器物使いと比べるとやや悲しいものがある。攻撃に使う能力を「実験体」で4上げるのと比較してこちらが上回る点はそうそうない。
 指定のエフェクトが噛んでさえいれば攻撃手段を問わず、また回避にも使えるという点が利点と言えば利点だろうか。攻撃と違う能力で回避するというのもあまり考えたくはないが。

No.93 守護天使 LM p.107

  • 増加個数:5(任意の判定)
  • メリット:使用時、ダイスを減らすペナルティの効果を受けない。
  • デメリット:シナリオに3回しか使用できない。

 シナリオ3回。なんとなく《創造の御手》(EA p.86)を思い出させる。使い勝手はすこぶる悪いが数字がでかいので、割り切って使えば普通に強い気がする。

No.H02 黄泉還り LM p.111

  • 増加個数:2×あなたへのロイスを取得しているキャラクター(あらゆる判定)
  • メリット:あらゆる判定に効果が適用される。うまく使えば数字が大きい。
  • デメリット:ロイスをタイタスにされるたびに侵蝕率が10増える。設定が重い

 “面影島事件”で蘇った死者という設定が付与されるDロイス。ダブルクロス世界において死者が蘇ることはままあるので通常ステージでのPCに使えなくもないが、一応トレイルデータ発なので採用できるかどうかはGM判断による。
 コンビ打ちよろしく他PCにお願いしてロイスを取ってもらいかつそれを保持してもらえればPC4人の場合3*2でシーンに全員登場だと常時+6個!情報収集とかも一緒にすれば全部乗る!というちょっとロマンがあったりする。敵のジャームじゃないオーヴァードにロイス取られてタイタス化されたりすると悲惨なことになるが……。

No.HR31 仲間 HR p.117

  • 増加個数:2(あらゆる判定)
  • メリット:あらゆる判定に有効。シナリオに1回だけ、さらに+2個できる。
  • デメリット:上げ幅が少ない。

 ロイスを取ってそれを守ればいいだけなので「黄泉還り」よりは楽。ただし効果も1人分。常時有効とはいえちょっとおとなしすぎるか。

No.HR33 連帯 HR p.118

  • 増加個数:1+シーンに登場している、あなたがロイスを取得しているキャラクターの数
  • メリット:あらゆる判定に効果が適用される。うまく使えば数字が大きい。
  • デメリット:ロイスが勝手にタイタスになる上に侵蝕率も増える。

 逆「黄泉還り」とでもいうべきDロイス。こちらは対象が戦闘不能になるたびに勝手にロイスごと減っていくのでかなりきつい。こんなんチームワークでもなんでもないやん!

No.03 変異種 ⇒ 《ロイヤルブラッド》LM p.113

  • 増加個数:5(組み合わせた判定)
  • メリット:特になし。
  • デメリット:エフェクトなので侵蝕値がかかる。シナリオLV回。

 ブラム=ストーカーには《鮮血の一撃》(EA p.47)等の優秀なエフェクトがあるため敢えてこれを取るかというと、どうだろう。ただ「守護天使」と同じく上げ幅は大きいので、使いどころはあるかもしれない。

No.03 変異種 ⇒ 《クロックアップ》LM p.113

  • 増加個数:3(組み合わせた攻撃)
  • メリット:攻撃力が付いてくる。
  • デメリット:エフェクトなので侵蝕値がかかる。シナリオLV+1回。

 LVを上げなくてもシナリオに3回くらい使えそうなのは悪くないが侵蝕値が重く気軽に何度も使えるかというとそうでもない。高速のヴィジョン見逃すな!

No.03 変異種 ⇒ 《万色の檻》LM p.114

  • 増加個数:LV*2(ラウンド中あらゆる判定)
  • メリット:最大レベルや侵蝕率による伸びしろがある。
  • デメリット:エフェクトなので侵蝕値がかかる。シナリオ3回。

 侵蝕値が重いことといい倍率といい80~100%エフェクトっぽい。追加で10点払うと+6(8)個というのは評価に値する。ただこれ組み合わせて使うエフェクトじゃないから変異種のデメリットで-1個が付く。なんか釈然としない。

No.11 秘密兵器 ⇒ 「ブーストアーマー」LM p.118

  • 増加個数:2(【肉体】【感覚】【精神】)
  • メリット:装甲が付く。
  • デメリット:侵蝕率が増える。

 +2個は気休めで性能的には装甲がメインか。「フォールンヴィークル」と併用するとダイス+3個/攻撃力13/装甲28、「ストライクモービル」と併用するとダイス+6個/攻撃力10/装甲28とそこそこシャレにならん数字になる。

No.11 秘密兵器 ⇒ 「フォールンヴィークル」LM p.118

  • 増加個数:1(あらゆる判定)
  • メリット:あらゆる判定に使える。攻撃力、装甲が付く。
  • デメリット:攻撃に使うことを考えると流石に頼りない。

 乗りっぱなしで情報収集や購入を行える手段を考えたいところ。車椅子にするとか。

No.11 秘密兵器 ⇒ 「Rコントローラー」LM p.118

  • 増加個数:5(RC判定)
  • メリット:上げ幅が大きい。
  • デメリット:シナリオに3回しか使えない。

 単体だと「守護天使」の劣化版であるが、「秘密兵器」は複数のアイテムを取得できる利点がある。

No.11 秘密兵器 ⇒ 「トゥルースサイト」LM p.119

  • 増加個数:3(あらゆる判定)
  • メリット:特になし。
  • デメリット:シナリオに3回しか使えない。

 同上。こっちはちょっと経験点20点にしては弱いかも。

No.11 秘密兵器 ⇒ 「フォールンスプライト」HR p.90

  • 増加個数:3(あらゆる判定)
  • メリット:他キャラにも使用できる。
  • デメリット:シーンに1回しか使えない。

 「トゥルースサイト」よりは使い勝手がよさそう。

No.11 秘密兵器 ⇒ 「ストライクモービル」RW p.55

  • 増加個数:4(攻撃の判定)
  • メリット:攻撃力、装甲が付く。
  • デメリット:特になし。

 搭乗してさえいれば攻撃手段は問わないのが魅力的。攻撃力無駄になるけど普通に武器攻撃してもいいしRCでもいい。問題は乗り物のテクスチャかな……。

No.98 遺産継承者 ⇒ 「誓約の瞳」LM p.120

  • 増加個数:2(RC判定)
  • メリット:《ナーブジャック》(EA p.102)が付いてくる。
  • デメリット:侵蝕率基本値が+7される。

 ダイス増加は常時とはいえ微々たるものなので、このアイテムの主体は付いてくる《ナーブジャック》にあると言える。ちょっとここに並べるのは無理があるな。

No.98 遺産継承者 ⇒ 「夜の小鳥」HR p.91

  • 増加個数:3(隠密状態で行う判定)
  • メリット:一部エフェクトが付いてくる。
  • デメリット:財産ポイントを使用できない。

 これ情報収集のときにも《陽炎の衣》(EA p.21)使ったらダイス増やせたりしませんか?

No.98 遺産継承者 ⇒ 「信仰の火」GFE37 p.107

  • 増加個数:4(この武器による射撃攻撃)
  • メリット:武器が付いてくる。条件付きで攻撃力も付いてくる。
  • デメリット:徐々に視覚を失っていく。<知覚>判定のダイスが-2個される。

 強い!ちょっと設定が重いけど暴走していない場合ダイス4個に攻撃力15は破格。「エピック」(BC p.70)《物質合成》(EA p.86)《マルチウェポン》(EA p.93)したい。

No.HR24 人造の者 HR p.113

  • 増加個数:4(エフェクトを組み合わせた判定)
  • メリット:攻撃力が付いてくる。
  • デメリット:都築京香と絡む設定が必要。

 エフェクトを組み合わせるだけでダイス+4個、そして3とはいえ攻撃力が乗る。【肉体】型なら「実験体」より強い可能性がある。

No.HR29 永命者 HR p.116

  • 増加個数:3(選択した技能を使用したオーヴァードに対する攻撃)
  • メリット:攻撃力が付いてくる。
  • デメリット:オーヴァードに対する攻撃にのみ有効。フィン・ブースロイドと絡む設定が必要。

 「対抗種」のダイス版のような効果。シーンに1回だけ本家っぽいダメージ増加も行える。普通に強そう。

No.HR30 発明品 ⇒ 「AIDA」HR p.93

  • 増加個数:3(選択した能力を使用した判定)
  • メリット:「精神強化手術」(HR p.93)関係の効果とシナジーする。
  • デメリット:侵蝕率基本値が+5される。

 FHでない場合、基本的には「懐刀」の方が強いものと思われる。

ダブルクロス:ノイマン/ウロボロス【災厄の炎】

 《災厄の炎》コレクション。

データ

  • レギュレーション:初期作成130点
  • 使用サプリメント:EA+LM+HR+RW
  • ワークス:UGNエージェントC
  • シンドロームノイマン/ウロボロス
  • Dロイス:遺産継承者 LM p.109 (「雷神の槌」RW p.56)
  • 能力:肉体1/感覚1/精神7/社会1(使用経験点10)
  • 技能:RC1/意志1/調達1/情報UGN1(使用経験点6)
  • エフェクト(使用経験点95)
    • LV2 《コンセントレイト:ウロボロス》EA p.129
    • LV5 《原初の赤:災厄の炎》EA p.106/122
    • LV3 《フェイタルヒット》RW p.40
    • LV1 《灰色の脳細胞》RW p.40
  • アイテム(使用経験点15)
    • ストレンジフェイズ HR p.88
  • 計120点
  • 100%時点 【行動値】16 判定13dx7+1 攻撃力28+4d10 侵蝕値11 射程至近 範囲(選択)

構築解説

 ノイマン/ウロボロスの万能構成で《災厄の炎》を使う。サラマンダー/ウロボロスで《災厄の炎》を考えていたときに発生した副産物。

ノイマン/ウロボロス

 能力値が1/1/6/1の美しい構成。【精神】は高いがRC攻撃を持たないノイマンを攻撃手段豊富なウロボロスでRC運用する。この組み合わせは《サイレンの魔女》(EA p.75)とか色々応用が利く。

《灰色の脳細胞》

 常時で【行動値】を上げる、というか【精神】による副能力値計算を【感覚】相当に引き上げる。《先手必勝》(EA p.76)が+LV*3、「戦闘適性体」(HR p.98)が+5の固定であることを考えると最低でも【精神】を6まで上げたい。外付けのエフェクトが多くなりがちなウロボロスにとって侵蝕率を上げずに先手を取ることができるのは大きな利点である。またセットアッププロセスを阻害しないので「怨念の呪石」(HR p.88)と併用できるという利点もある。

《フェイタルヒット》

 レネゲイドウォーで登場した非常に便利なエフェクト。ラウンド1回かつ自身限定だが係数1d10で侵蝕値も4と相場より低め。バッドステータスの重圧、《ラストアクション》(EA p.94)と噛み合わない点などに注意したい。 

Dロイス

 自由枠である。

コメント

 シンプルながら強力。能力値で【行動値】を稼ぐという同じコンセプトである ダブルクロス:エンジェルハィロゥ/エンジェルハィロゥ【光の手RC】 - Hide Left Hand と比べると……ほぼ同じか?こちらはウロボロスがあるため拡張性に勝る。

ダブルクロス:モルフェウス/ノイマン【6連パイルバンカー】

 言いたかっただけシリーズ。

データ

  • レギュレーション:初期作成130点
  • 使用サプリメント:IC+EA+LM+HR
  • ワークス:企業エージェントA
  • シンドロームモルフェウス/ノイマン
  • Dロイス:変異種(《プレディクション》) LM p.62/114
  • 能力:肉体2/感覚2/精神3/社会2(使用経験点0)
  • 技能:白兵1/回避1/RC1/調達4/情報ウェブ1(使用経験点6)
  • エフェクト(使用経験点100)
    • LV3 《黄金練成》EA p.82
    • LV3 《プレディクション》LM p.114 (変異種で取得)
    • LV5 《マルチウェポン》EA p.93
    • LV1 《ヴァリアブルウェポン》EA p.94
    • LV1 《神機妙算》RW p.40
  • アイテム(使用経験点20)
    • 錬金秘本 IC p.75
    • 神の落とし子(《ヴァリアブルウェポン》を選択) HR p.99
    • パイルバンカー*6 R2 p.184
  • 計126点
  • 100%時点 攻撃力72(12*6) 侵蝕値10 範囲化可能

構築解説

 「神の落とし子」で《ヴァリアブルウェポン》のレベルを上げ、「パイルバンカー」を6個同時に撃つ。

先行研究

blog.livedoor.jp

 これに限らず《ヴァリアブルウェポン》をLV3で使おうと思うとほぼこの形になるであろう構築。一切無駄がない、いや無駄自体はあるのだが、やるべきことに振り切った一種の完成形。ただどうしても《マルチウェポン》LV7が納得できないので他の方法を探ってみた。ウロボロス使うとかの方法もありそうではある。
 【肉体】ダイス1個で白兵攻撃するので、いかに必中とはいえ侵蝕率ボーナスの乗っていない戦闘だとファンブルする危険性が一応あったりする。

命中達成値「0」

 については前に記事を書いたのでそちらをご覧いただきたい。
north-seeker.hatenablog.com
 この手法なら達成値がどこまで下がろうが関係ないので心置きなく命中の低い武器を使える。

パイルバンカー

 シナリオに3回まで杭を叩き込んで攻撃力を12まで上昇可能。同じ常備化ポイントで手に入る「両手剣」(R2 p.185)と比較すると、こちらはガード値が1高く、命中が1低く、シナリオに3回だけ攻撃力が2上回り、そして片手で使用できる。一方「大槌」(IC p.79)は攻撃力が同じで使用回数制限がなく、常備化が1だけ重い。これも両手持ち。
 サプリメント環境が許せばの話になるが、基本的には「大槌」の方が強い。片手で振り回せる中では優秀という評価になるだろうか。こんな武器をいくつも持つな。

《プレディクション》

 「パイルバンカー」自体の回数制限もあるが、そもそも《プレディクション》で無理やり命中させる構築なのでシナリオ中に3(4)回しかまともに攻撃することができない
 ミドルで3つだけ使って1回攻撃、クライマックスで6つ使って2回攻撃、エフェクトレベルが上がって使用回数が増えるので、ミドルで使わなかった3つを使って最後にもう1回攻撃、くらいが関の山か。

常備化ポイント

 ピュアだと《ブラックマーケット》(EA p.92)LV5の35点で50点稼げるところを「錬金秘本」で無理やり引っ張っているため結構ギリギリ。一応6個とも常備化できる(社会分4+調達分8+補正45=57)が、2個くらいは道中で購入するものとして「錬金秘本」なしにしてもいいかもしれない。

《神機妙算》

 自由枠。【行動値】7の範囲攻撃にどれほどの意味があるのか?などと考えてはいけない。諸々切り詰めているため意外と余裕があり、111点(「錬金秘本」をオミットするなら96点)で構築自体は完了する。そのためエフェクト1個分くらいの空きはある。
 では何を入れるかという話になるが、これ以上火力を伸ばすのも過積載だし、アイテムを入れようにも噛み合うものがあまりない。タッチで採用しやすい《ラストアクション》(EA p.94)も攻撃回数に難のあるこの構築だと優先度もそう高くない。いっそ《インスピレーション》(EA p.89)あたりで茶を濁すのもいいかもしれない。

コメント

 神城グループの企業エージェントであるため実シナリオにおける汎用性は低いものの、企業の命令で動く傭兵という意味ではむしろ元ネタの再現度が高いと言えるかもしれない。

ダブルクロス:アイテム検証・武器編(「他の武器は装備できない」)

 いろいろ書いていますが、ほぼ誤植みたいな不具合ばっかりなんでGMによってやんわり雑に認めてもいいと思います。

基本情報

  • ダブルクロス The 3rd Edition』では、ひとりのキャラクターにつき2つまで武器を装備することができる(R1 p.175)。
    • 単なる仕様であり特に設定が明言されているわけでもないが、「両手剣」(R2 p.185)だと1つしか装備できないことを鑑みるに、片方の手にそれぞれ1つずつ装備することを表しているものと思われる。
    • ただしダブルクロス世界において2つの武器を同時に扱えるのは一部の天才(ノイマン)かそれに準ずる者のみなので、《マルチウェポン》(EA p.93)等の特殊なエフェクトを使う以外は、片手に武器、もう片手に盾を持った勇者スタイルのキャラクターくらいしかこのルールの世話になることはない。
  • 一部の武器には、先述の「両手剣」のように「この武器を装備している間、他の武器は装備できない」という効果を持っているものが存在する。設定上大型の武器や弓系のアイテムの一部がこれに該当する*1ことから、これは「扱うのに両手が必要であるため、他の武器が使えない」ことを表現しているものと判断できる。

表記ブレの悲劇

 「この武器を装備している間、他の武器は装備できない」と効果にある武器(以下「両手持ち」と表記。)を参照する効果がいくつか存在する。《パワーアーム》(EA p.60)や《超軽量化》(EA p.84)など。で、この効果テキストの記述が非常に問題。何が問題って表記を明確に示してしまっているため、厳密に処理しようと思った場合、このテキストから少しでも外れると効果が適用されないことになるのである。
 例えば「レイジングブレイド」(LM p.118)は「この武器を装備している間、他の武器は装備できず、あなたの【行動値】を-4する。」とある。大剣のアイテムであり設定上両手持ちであることに違いはないのだろうが、テキストが一言一句一致していないと対象にならないため、残念ながら《パワーアーム》を使っても「レイジングブレイド」二刀流はかなわない。他にも「大槌」(IC p.79)や「レッドテンペスト」(HR p.87)、「ストームワインダー」(HR p.87)、「フォールンガトリング」(HR p.90)など複数の効果をあわせもつが故にテキストをひとまとめにされてしまった武器がこれに該当する。似たような効果の「トツカ」(PE p.38)はきっちり分けて書いてある(対象になる)のに……*2
 さて、ここで更に悲しいお知らせがある。「フォールンマシン」(HR p.90)というヴィークルは《パワーアーム》と似たような効果を持つ、持つのだが……テキストが違う。

搭乗している間、“この武器を装備している間、他の武器を装備できない”とある武器を最大4つまで装備できる。
『ヒューマンリレーション』p.90

 「他の武器“を”装備できない」と書いてある武器、ざっと探したら「バラキエル」(HR p.92)と「デバウラー」(HR p.96)、「ミリオンベイン」(HR p.97)がそうだった。じゃあ『ヒューマンリレーション』でのみ表記ブレが発生しているのかと思いきや「混沌なる者の槍」(HR p.86)は従来の「他の武器“は”」表記。なんなんだよ!FHにしか扱えないヴィークルなのか?
 この“は”と“を”についてはもう本当にあまりにもしょうもないので誤植であるとして処理していいと思う。じゃないとただでさえ用途が限定的な「フォールンマシン」がさらに使いづらくなってしまう。

「他の」ってどこまでが他なのか問題

 武器を両手持ちにする効果のエフェクトもある。モルフェウスの《ジャイアントウェポン》(HR p.81)とエグザイルの《死招きの爪》(BC p.61)がそうだ。うち前者は明確に両手持ちのテキストを追加するという効果なので、問題なく《パワーアーム》で踏み倒すことができる。じゃあ《死招きの爪》は?

ただし、このシーンの間あなたは他の武器を装備できなくなる。
『バッドシティ』p.61

 ここで問題なのは《パワーアーム》使えないじゃんという点ではない。「他の武器」ってどこまで他の武器なんだ?という点である。先程から何度か言及しているが、両手持ち武器は「重いので」とか「両手で操作するので」みたいな意味合いで「他の武器を装備できなく」なっている。だから「他の」とはその武器を単一の個々のものとして考え、「両手剣2つなら『他の武器』じゃないから二刀流できる」とはならないとするのが設定的にもデータ的にも理に適った考えである*3
 では《死招きの爪》で言うところの「他の」は何なのか。対象がよくわからないテキストである。「これの効果を受けた武器以外の武器」という意味合いなら、《骨の剣》(EA p.68)《骨の銃》(EA p.69)《死招きの爪》を全部組み合わせて使用した場合、テキストが素手と射撃武器の両方に及んでどちらも装備できるんじゃないのか
 これも結局のところ「両手持ち」をしっかり定義していないから起こる問題である。

「できる効果」で「できない効果」を無視するな

 これについては前に書いたので当該記事を参照いただきたい。
north-seeker.hatenablog.com
 かいつまんで言うと、効果に上下関係はないのだから「できる」と「できない」がかち合った場合普通はつじつまを合わせるため「できない」方が優先されるべきである、という話。実は効果に上下関係があったのだという解しか今のところない。

どうすればよかったのか

 ここから先は妄言である。
 つまるところ「両手持ち」テキストを効果にするんじゃなくルール化すればよかったのだ。【両手持ち】という要素を武器に付与しておいて、その中身をルールで定義する。そうすれば《パワーアーム》のテキストは「【両手持ち】を無視して装備できる」みたいにスマートになるしルーリングの上でも「ルールを効果で上書きしている」だけなのでマスタールールに反しない。複数の効果を持つ武器だって【両手持ち】【至近攻撃不可】とだけ書いてあればそれぞれを無視する効果できっちり無視できるし微妙な表記の違いに悩むこともない。
 まあ、私はプロのゲームデザイナーではないので、色々事情があるのかもしれない。要素を増やしたくないとか。

*1:「必中の弓」(HR p.91)は片手で撃てる。ボウガンか?

*2:公式の『リプレイ・クロニクル』や『春日恭二の事件簿』に登場する「アリサ・トツカ」は「トツカ」を《パワーアーム》して「イノセントブレード」(PE p.38)と一緒に《ヴァリアブルウェポン》(EA p.94)するとかいうとてつもない構築である。

*3:実際には言葉としての曖昧性を完全に排除できていないと個人的には思う。

ダブルクロス:ハヌマーン/サラマンダー【必中の弓・攻撃時エフェクト不使用】

 試作。

データ

  • レギュレーション:初期作成130点
  • 使用サプリメント:UG+EA+LM+HR+CE
  • ワークス:企業エージェントB
  • シンドロームハヌマーン/サラマンダー
  • Dロイス:遺産継承者(必中の弓) LM p.109 / HR p.91
  • 能力:肉体3/感覚2/精神2/社会2(使用経験点0)
  • 技能:射撃4/知覚1/RC1/調達1/情報ウェブ1(使用経験点6)
  • エフェクト(使用経験点80)
    • LV3 《紅蓮の憎悪》CE p.66
    • LV5 《ロックンロールビート》CE p.65
    • LV2 《終末の炎》EA p.109
  • アイテム(使用経験点40)
    • 必中の弓 HR p.91
    • 黒のIDカード(<射撃>) UG p.53
    • 優良兵器 UG p.53
    • 怨念の呪石 HR p.88
  • 計126点
  • 命中達成値 射撃(4)+黒のIDカード(2)+優良兵器(2)+《ロックンロールビート》(10)+必中の弓(10)=28
  • 攻撃力 《紅蓮の憎悪》(9)+怨念の呪石(2d10)+優良兵器(5)+必中の弓(11)=25+2d10

構築解説

 メジャーアクションでエフェクトを使用せずとも達成値と攻撃力を稼ぐ。基本パーツは106点分で、《終末の炎》はオプション。他に使えそうなエフェクトが思い浮かばなかった。

攻撃侵蝕0は強いのか?

 「攻撃で侵蝕率が増えない」のは優秀なポイントだがシナリオ全体で考えると必ずしもそうではない。ダブルクロスは自分1人だけ効率が良くても仕方ないので、普通に使うなら侵蝕率が増えてもいいから火力が出る構築の方がPTに貢献する。つまり、侵蝕値が増えないことを活かす必要がある。
 ぱっと思いつくのは死にづらいことを活かしたカバーリングだが、この構築では暴走を採用しているためそれができない。成長の余地があるなら《スーパーソニック》(RU p.17)辺りを取得して変異暴走からカバーしてもいいかもしれない。
 タダで殴れるので複数回行動とも相性がよい。現実的なのは《ライトスピード》(EA p.77)くらいだろうか。100%になりづらいけど。味方に「触媒」(LM p.68)や《さらなる力》(EA p.117)持ちがいると気兼ねなく使ってもらえる。
 100%を超えても侵蝕率がほぼ増えないため、ロイスを前向きに使うことができる。と言ってもダイスを増やしたところで何の足しにもならないので、REやWHの色付きロイスを使える環境なら火力や疑似カバーなどの活躍が期待できる。
 

コメント

 今回は攻撃にエフェクト使わない縛りで作ったので排除したが、射撃アタッカーなら「サイドリール」(HR p.88)がシンプルに強いので何らかの攻撃エフェクトを適当に取って組み合わせた方がたぶん強い。
 他にも《ハードワイヤード》(EA p.40)型とか《武芸の達人》(BC p.64)型とかも考えられそう。