達成値0は失敗か?

 武器によるマイナス修正やエフェクトの妨害によって、命中判定の達成値が0になる場合がある。このとき、リアクション側が暴走しているなどの理由でドッジできない場合、攻撃は失敗となるのか?

修正を行った結果、判定値が0以下になった場合(つまり振れるダイスが0個以下になってしまった場合)、行為判定は自動的に失敗する。
R1 p.185

 判定値とはダイスの個数のことである(ダブルクロスにしては珍しく注釈が付いてわかりやすくなっている)。例えば振れるダイスが6個しかない状況で《フラッシュゲイズ》LV3を受けると、振れるダイスが0個となり、自動的に失敗する。
 しかしこれは達成値0と関係ない。

振ったダイスの目がすべて1だった場合は、ファンブルが発生する。その判定は自動的に失敗となる。達成値は0とする。
R1 p.186

 これはファンブルが出た場合の達成値の処理なので、達成値が0=失敗という理由にならない。

リアクション側が何らかの理由で判定が行なえないことがある。その場合のリアクション側の達成値は自動的に0として扱われる。
R1 p.192

 おそらくこの記述が最大の問題かと思われる。仮に攻撃側もリアクション側も達成値が0ならリアクション優先の法則で回避が成り立ってしまうからだ。攻撃が失敗していない以上、ドッジもしていないのに回避というのはおかしくないか。

 そも「判定が行えない」とは何か。ダイスが0個?それなら自動的に失敗となるのでわざわざ書く必要はない。この記述だと、リアクション側が判定できなくても失敗にはならないように読める。なんだそれは。
 暴走や《獣の王》の効果でドッジやリアクションができない状態?それもおかしい。何故ならリアクションを放棄した場合、対決は発生しない(R1 p.245)。先述の「リアクション側が~」の記述はあくまで対決判定における事例なので、対決が発生しない以上はこれも適用しない(対決していない時点でリアクション側という概念も登場しない)。暴走においても同じであろう。

 だんだん込み入った話になってきた。暴走していると平気でリアクション放棄という事態が発生し、おそらくみんな当然のように自動成功としてダメージを算出していたと思うが、ルールブックに攻撃側が一方的に殴る場合の最終的な可否の出し方は書かれていない。防御側の達成値はnullである。nullを超える達成値が出れば行為判定としては成功となるぞ。

 冗談はさておき前向きに論理的にいこう。「防御側が判定しない場合の達成値は0となる」「対決判定ではない」の両方が正であるとするならば……光明が見えてきたのでは?「対決判定じゃない」なら「行為判定は難易度以上の達成値で成功」なわけだから、0対0で命中となるんじゃないか、これ。どうですか皆さん。

 結論だけ言うと普通にルールブックの不備ですね。GMとよろしくやってください。達成値0の攻撃はやめよう。