Dロイスの選び方には大きく分けて2種類ある。Dロイスがなければ成立しないキャラメイクと、Dロイスなしで基本パーツが完成しており、Dロイスで欠点を補う又は長所を伸ばすキャラメイクだ。前者は例えば「必中の弓」(HR p.91)をはじめとした「遺産」をメインに据えたアタッカーや「財閥援助」(HR p.115)を使ったコンボなどがこれにあたる。一方後者は、「対抗種」(LM p.62)や「雷神の槌」(RW p.56)といった外付けの強化手段としてのDロイス運用をする場合である。
今回は、なんとなくダイスが足りていないと感じた際にDロイスで補う手段を考える。
- 基本はサプリメント掲載順。ただし亜種Dロイス等は元となるDロイスの直後に示す。
- 通常ステージで使用できないもの、FH専用のものはとりあえず除外する。
相場
係数1のエフェクトをLV4で取得すると経験点30点で+4個。サプリメントが許す環境であれば「ストレンジフェイズ」(HR p.88)の15点+3個や「エンチャント」(BC p.70)の10点+2個が主な比較対象となる。Dロイスの相場は経験点で言うところの30点前後だと考えているので、最低でも4個はほしいところ。
No.05 実験体 LM p.63
- 増加個数:4(任意の能力)
- メリット:能力値自体を上昇させるため、副能力値に恩恵がある。
- デメリット:侵蝕率基本値+5。
おなじみ実験体。【感覚】を増やすと実質【行動値】+8も付いてくるのでパフォーマンスがよい。
No.HR22 懐刀 HR p.107
- 増加個数:3+2(任意の能力)
- メリット:能力値自体を上昇させるため、副能力値に恩恵がある。
- デメリット:侵蝕率基本値+3。アッシュ・レドリックと絡む設定が必要。
「実験体」の亜種。増やせる値は1少ない代わりに、強化効果が発動すれば配分した能力による判定のダイスがさらに2個増える。
全部同じ能力に振った場合、副能力値の増加分で劣るが、ダイスの数だけで見れば+5個となりこちらが勝る。また別々の能力に割り振ったとしてもそれぞれ強化効果が適用されるため、例えば【社会】に1だけ振っておくと判定ダイスが+3個となり情報収集や購入で役立つなどの利点がある。総じて優秀だが、アッシュ・レドリックは扱いが難しいのでどうやってリレーションロイスを取るかが一番の難関かもしれない。
No.98 遺産継承者 ⇒ ジュラシックレコード HR p.91
- 増加個数:2(任意の能力)
- メリット:能力値自体を上昇させるため、副能力値に恩恵がある。装甲値+10。武器が付いてくる。
- デメリット:侵蝕率基本値+2。火を恐れるようになる。
メダル特効が付いてそうな斧。2しか増えないが武器と装甲が付いてくる。【肉体】を増やす場合HPもそれに応じて増えるのでタフなアタッカーが作れる。
なおこれに限らず遺産継承者専用アイテムは「遺産の器」(HR p.103)経由で取得することで、侵蝕率基本値+5及び強羅瑠璃との関係性が必須になることと引き換えに常時判定ダイス+1個というなかなかの恩恵を得ることができる。
No.98 遺産継承者 ⇒ 天空の隼 GFE37 p.107
- 増加個数:2(【感覚】か【精神】)
- メリット:能力値自体を上昇させるため、副能力値に恩恵がある。達成値+4。武器が付いてくる。
- デメリット:侵蝕率基本値+5。完全な闇が苦手になる。
これ隼の像で攻撃してんの?的な謎の射撃武器。通常は【感覚】に振ることになると思われる。トータルで見ると明らかに優秀だが、ダイス増加としても【行動値】増加としても半端で、武器としての性能だけなら「必中の弓」の方が強いという悩ましいポジション。どうしてもダイスか【行動値】がちょっと足りないときに使うか?
No.06 戦闘用人格 LM p.63
- 増加個数:5(あらゆる判定)
- メリット:攻撃力+5が付いてくる。
- デメリット:侵蝕率100%以上でないと有効にならない。バックトラックにデメリットがある。
ダイス5個に攻撃力まで付いてくるのはここに並べた中でも特に優秀。ただしほぼクライマックス専用でしかもデメリットがある。
侵蝕率によるボーナスとあわせると実に8個も増えるためミドル戦闘さえどうでもよければ元々の判定ダイス4個とかでもそのまま実用レベルまで持っていける馬力がある。
No.HR18 悪魔の子 p.110
- 増加個数:3(あらゆる判定)
- メリット:条件付きだが、攻撃力が付いてくる。
- デメリット:侵蝕率100%以上でないと有効にならない。春日恭二と絡む設定が必要。
侵蝕率が120%を超えるとダイス3つに加え「対抗種」(LM p.62)相当の火力ブーストが乗り大変ご機嫌なことになるが、逆に言うと、そこまで行かなければ「戦闘用人格」でいい。
メモリーを駆使して積極的に侵蝕率を上げる構築にするとか悪いことは色々できそうである。
No29 光使い ⇒ 《光の指先》LM p.75
- 増加個数:LV+2(組み合わせた判定)
- メリット:最大レベルや侵蝕率による伸びしろがある。
- デメリット:エフェクトなので組み合わせる必要があり、侵蝕値もかかる。
エンジェルハィロゥ専用Dロイスとエフェクト。LVを上げずとも+3(4)個と及第点。しかし通常のエフェクトでも+[LV+1]個や+[LV+2]個のものがあることを考えるとあまり効率がよいとも思えない。しっかり噛み合う構築があれば。
No.40 器物使い LM p.80
- 増加個数:3(一体化したアイテムを使用した判定)
- メリット:ガード値が付いてくる。
- デメリット:素手にデメリットが付く。アイテムを使用した判定にしか効果がない。
エグザイル専用Dロイス。「一体化したアイテム(コネ不可)を使用した判定」とかいうふわっとした条件。基本的には武器やヴィークルを使用した攻撃に乗ると考えてよいだろう。
コネ以外なら何でもいいので「能力訓練」(IC p.85)と一体化することで任意の能力を利用した判定も+3個できる。能力訓練と一体化って何?
No.46 達人 LM p.83
- 増加個数:2(選択したエフェクトを組み合わせた命中判定)
- メリット:攻撃力が付いてくる。
- デメリット:選択したエフェクトの侵蝕値が増える。
ノイマン専用Dロイス。侵蝕値が2も増えるのにダイス2個に攻撃力+5はわりに合わんのでは?
エフェクトをピンポイントで強化するという点では貴重な効果であり、例えば《黒の鉄槌》(EA p.30)にこれをあてて《迎撃する魔眼》(HR p.77)の足しにするとかそういうテクニックもなくはないが、シーン中やラウンド中継続するバフを使えば近しい効果を得られるので特に言うことはない。
No.HR14 原初の子 HR p.109
- 増加個数:2(選択したエフェクトを両方組み合わせた判定)
- メリット:攻撃力が付いてくる。選択したエフェクトの侵蝕値が減る。
- デメリット:アルフレッド・J・コードウェルと絡む設定が必要。
選択するエフェクトが1つだと侵蝕値が増えるのに2つだと減る。上げ幅はダイス・攻撃力ともに地味だが侵蝕値が減る効果がわりと他に類を見ない感じ。合計-2だから、5回攻撃できれば-10でメモリー1個分。……これはメモリーが強すぎるだけである。
No.50 究極のゼロ LM p.85
- 増加個数:3(《コンセントレイト》《リフレックス》を組み合わせた判定)
- メリット:特になし。
- デメリット:組み合わせた判定の侵蝕値を+1する。
サラマンダー専用Dロイス。アルティメットトリガーロックオンしそう。シンドロームが違うとはいえ器物使いと比べるとやや悲しいものがある。攻撃に使う能力を「実験体」で4上げるのと比較してこちらが上回る点はそうそうない。
指定のエフェクトが噛んでさえいれば攻撃手段を問わず、また回避にも使えるという点が利点と言えば利点だろうか。攻撃と違う能力で回避するというのもあまり考えたくはないが。
No.93 守護天使 LM p.107
- 増加個数:5(任意の判定)
- メリット:使用時、ダイスを減らすペナルティの効果を受けない。
- デメリット:シナリオに3回しか使用できない。
シナリオ3回。なんとなく《創造の御手》(EA p.86)を思い出させる。使い勝手はすこぶる悪いが数字がでかいので、割り切って使えば普通に強い気がする。
No.H02 黄泉還り LM p.111
- 増加個数:2×あなたへのロイスを取得しているキャラクター(あらゆる判定)
- メリット:あらゆる判定に効果が適用される。うまく使えば数字が大きい。
- デメリット:ロイスをタイタスにされるたびに侵蝕率が10増える。設定が重い。
“面影島事件”で蘇った死者という設定が付与されるDロイス。ダブルクロス世界において死者が蘇ることはままあるので通常ステージでのPCに使えなくもないが、一応トレイルデータ発なので採用できるかどうかはGM判断による。
コンビ打ちよろしく他PCにお願いしてロイスを取ってもらいかつそれを保持してもらえればPC4人の場合3*2でシーンに全員登場だと常時+6個!情報収集とかも一緒にすれば全部乗る!というちょっとロマンがあったりする。敵のジャームじゃないオーヴァードにロイス取られてタイタス化されたりすると悲惨なことになるが……。
No.HR31 仲間 HR p.117
- 増加個数:2(あらゆる判定)
- メリット:あらゆる判定に有効。シナリオに1回だけ、さらに+2個できる。
- デメリット:上げ幅が少ない。
ロイスを取ってそれを守ればいいだけなので「黄泉還り」よりは楽。ただし効果も1人分。常時有効とはいえちょっとおとなしすぎるか。
No.HR33 連帯 HR p.118
- 増加個数:1+シーンに登場している、あなたがロイスを取得しているキャラクターの数
- メリット:あらゆる判定に効果が適用される。うまく使えば数字が大きい。
- デメリット:ロイスが勝手にタイタスになる上に侵蝕率も増える。
逆「黄泉還り」とでもいうべきDロイス。こちらは対象が戦闘不能になるたびに勝手にロイスごと減っていくのでかなりきつい。こんなんチームワークでもなんでもないやん!
No.03 変異種 ⇒ 《ロイヤルブラッド》LM p.113
- 増加個数:5(組み合わせた判定)
- メリット:特になし。
- デメリット:エフェクトなので侵蝕値がかかる。シナリオLV回。
ブラム=ストーカーには《鮮血の一撃》(EA p.47)等の優秀なエフェクトがあるため敢えてこれを取るかというと、どうだろう。ただ「守護天使」と同じく上げ幅は大きいので、使いどころはあるかもしれない。
No.03 変異種 ⇒ 《クロックアップ》LM p.113
- 増加個数:3(組み合わせた攻撃)
- メリット:攻撃力が付いてくる。
- デメリット:エフェクトなので侵蝕値がかかる。シナリオLV+1回。
LVを上げなくてもシナリオに3回くらい使えそうなのは悪くないが侵蝕値が重く気軽に何度も使えるかというとそうでもない。高速のヴィジョン見逃すな!
No.03 変異種 ⇒ 《万色の檻》LM p.114
- 増加個数:LV*2(ラウンド中あらゆる判定)
- メリット:最大レベルや侵蝕率による伸びしろがある。
- デメリット:エフェクトなので侵蝕値がかかる。シナリオ3回。
侵蝕値が重いことといい倍率といい80~100%エフェクトっぽい。追加で10点払うと+6(8)個というのは評価に値する。ただこれ組み合わせて使うエフェクトじゃないから変異種のデメリットで-1個が付く。なんか釈然としない。
No.11 秘密兵器 ⇒ 「ブーストアーマー」LM p.118
- 増加個数:2(【肉体】【感覚】【精神】)
- メリット:装甲が付く。
- デメリット:侵蝕率が増える。
+2個は気休めで性能的には装甲がメインか。「フォールンヴィークル」と併用するとダイス+3個/攻撃力13/装甲28、「ストライクモービル」と併用するとダイス+6個/攻撃力10/装甲28とそこそこシャレにならん数字になる。
No.11 秘密兵器 ⇒ 「フォールンヴィークル」LM p.118
- 増加個数:1(あらゆる判定)
- メリット:あらゆる判定に使える。攻撃力、装甲が付く。
- デメリット:攻撃に使うことを考えると流石に頼りない。
乗りっぱなしで情報収集や購入を行える手段を考えたいところ。車椅子にするとか。
No.11 秘密兵器 ⇒ 「Rコントローラー」LM p.118
- 増加個数:5(RC判定)
- メリット:上げ幅が大きい。
- デメリット:シナリオに3回しか使えない。
単体だと「守護天使」の劣化版であるが、「秘密兵器」は複数のアイテムを取得できる利点がある。
No.11 秘密兵器 ⇒ 「トゥルースサイト」LM p.119
- 増加個数:3(あらゆる判定)
- メリット:特になし。
- デメリット:シナリオに3回しか使えない。
同上。こっちはちょっと経験点20点にしては弱いかも。
No.11 秘密兵器 ⇒ 「フォールンスプライト」HR p.90
- 増加個数:3(あらゆる判定)
- メリット:他キャラにも使用できる。
- デメリット:シーンに1回しか使えない。
「トゥルースサイト」よりは使い勝手がよさそう。
No.11 秘密兵器 ⇒ 「ストライクモービル」RW p.55
- 増加個数:4(攻撃の判定)
- メリット:攻撃力、装甲が付く。
- デメリット:特になし。
搭乗してさえいれば攻撃手段は問わないのが魅力的。攻撃力無駄になるけど普通に武器攻撃してもいいしRCでもいい。問題は乗り物のテクスチャかな……。
No.98 遺産継承者 ⇒ 「誓約の瞳」LM p.120
- 増加個数:2(RC判定)
- メリット:《ナーブジャック》(EA p.102)が付いてくる。
- デメリット:侵蝕率基本値が+7される。
ダイス増加は常時とはいえ微々たるものなので、このアイテムの主体は付いてくる《ナーブジャック》にあると言える。ちょっとここに並べるのは無理があるな。
No.98 遺産継承者 ⇒ 「夜の小鳥」HR p.91
- 増加個数:3(隠密状態で行う判定)
- メリット:一部エフェクトが付いてくる。
- デメリット:財産ポイントを使用できない。
これ情報収集のときにも《陽炎の衣》(EA p.21)使ったらダイス増やせたりしませんか?
No.98 遺産継承者 ⇒ 「信仰の火」GFE37 p.107
- 増加個数:4(この武器による射撃攻撃)
- メリット:武器が付いてくる。条件付きで攻撃力も付いてくる。
- デメリット:徐々に視覚を失っていく。<知覚>判定のダイスが-2個される。
強い!ちょっと設定が重いけど暴走していない場合ダイス4個に攻撃力15は破格。「エピック」(BC p.70)《物質合成》(EA p.86)《マルチウェポン》(EA p.93)したい。
No.HR24 人造の者 HR p.113
- 増加個数:4(エフェクトを組み合わせた判定)
- メリット:攻撃力が付いてくる。
- デメリット:都築京香と絡む設定が必要。
エフェクトを組み合わせるだけでダイス+4個、そして3とはいえ攻撃力が乗る。【肉体】型なら「実験体」より強い可能性がある。
No.HR29 永命者 HR p.116
- 増加個数:3(選択した技能を使用したオーヴァードに対する攻撃)
- メリット:攻撃力が付いてくる。
- デメリット:オーヴァードに対する攻撃にのみ有効。フィン・ブースロイドと絡む設定が必要。
「対抗種」のダイス版のような効果。シーンに1回だけ本家っぽいダメージ増加も行える。普通に強そう。
No.HR30 発明品 ⇒ 「AIDA」HR p.93
- 増加個数:3(選択した能力を使用した判定)
- メリット:「精神強化手術」(HR p.93)関係の効果とシナジーする。
- デメリット:侵蝕率基本値が+5される。
FHでない場合、基本的には「懐刀」の方が強いものと思われる。