レビュー:幸運の大家様/Luck be a Landlord

 トロフィーはなかったけどとりあえず全ステージクリアしたので記事を書きます。プレイタイムはSteam表記で16.3時間。年の瀬の貴重な時間を溶かしたいあなたにおススメのゲームです。

 一文無しの主人公は家賃を払えないためアパートからの退去を迫られるが、幸いにも無料*1のスロットマシンがあったので(?)、これでコインを稼ぎ、暴利な家賃を請求する「大家」の粉砕を目指すというのが主なストーリー。なんなのだそれは。タイトルもなんか変だし(この場合、幸運なのは主人公では?)、スロットで家賃を返そうとする主人公もやばいし、これ幸いと家賃を値上げしまくる大家もやばい。

家賃を突然倍にする鬼の大家

 しかし何よりグラフィックがすごい。どことなくフラッシュの香りがするビジュアル。Vampire Survivorsの記事で「画面だけを見ると、お世辞にも面白そうには見えない」みたいなことを書いたが、こちらはその上をゆく。

このタイトル画面を見てプレイしたくなる人がいるだろうか?

 ジャンルとしては、いわゆるデッキ構築型ローグライクに分類されるゲームと言ってよいだろう。スロットゲームの「シンボル」を集めて自分だけの最強のスロットを作成し、コインを稼いでいく。プレイヤーに要求されるのはほぼデッキ構築のみで、あとはスロットを回すだけという非常にシンプルな造りながら、ランダム性とコンボが決まった時の快感が病みつきになる。サクッとプレイできるので何度も何度も挑戦したくなるのも非常に危険だ。

自分だけの最強のスロットを作ろう

 スロットを作ると言ってもドラムにシンボルを埋め込んで回すわけではない。インベントリからシンボル20個がランダムに4×5マスの盤面に並べられ、各自効果を発揮するような仕様となっている。いわゆるスロットのように一列に絵柄を揃えてボーナス、というわけではなく、基本的には隣接するシンボルを参照して発揮する効果が多くなっている*2。ややこしいと思われるかもしれないが、効果はおおむね直感的でわかりやすく、マウスオーバーでテキストが出る親切なUIもあり、慣れるまでそう時間はかからないだろう。日本語サポートもわりとちゃんとしている*3
 デッキ圧縮と序盤のピックの悩ましさ、サポートアイテムとのシナジー、ビルドに集中したいが家賃を振り込まないといけない駆け引きなどなど、デッキ構築型ゲームのエッセンスがこのシンプルな絵柄に凝縮されている。ちょうどセールしていることだし(2022年12月30日現在)、年越しの時間を有意義に過ごしてはいかがだろうか。

*1:ちなみに回すのに1コインかかるので無料ではない。

*2:横列を参照するシンボルもなくはない。カニとか。

*3:どう見ても誤植だろうみたいな部分もあるにはあるがプレイに支障はない。ネコがミルクに食われるとかね……。