ダブルクロス:エンジェルハィロゥ/オルクス【完全版感覚型バックスタブ】

 略して完全感覚バクスタ。
 《縮地》を使用して0m移動した場合でも《バックスタブ》は乗るというのが自論であるが(参考記事)、公式見解が明らかになっていない以上最終的な判断はGMに委ねられるのが“事務局もwikiもない遊戯王”ことダブルクロスの悲しいところである。
 そこで誰もが納得できる方法でどうにか《バックスタブ》できる方法を考える。

データ

  • レギュレーション:初期作成130点
  • 使用サプリメント:EA+LM+HR
  • ワークス:UGNエージェントA
  • シンドローム:エンジェルハィロゥ/オルクス
  • Dロイス:「実験体」(LM p.63)⇒【感覚】+4
  • 能力:肉体1/感覚8/精神2/社会2(使用経験点0)
  • 技能:白兵1/回避1/RC1/調達3/情報UGN2(使用経験点5)
  • エフェクト(使用経験点125)
    • LV5 《縮地》EA p.98
    • LV5 《バックスタブ》EA p.102
    • LV2 《コンセントレイト:エンジェルハィロゥ》EA p.129
    • LV1 《光の舞踏》HR p.76
    • LV2 《レーザーファン》EA p.25
  • アイテム(使用経験点0)
    • 「ワイヤーウィップ」R1 p.177 ※購入
  • 計130点
要素 ダイス 攻撃力 行動値 侵蝕値 効果
能力 8(11) - 18 - -
ワイヤーウィップ - 6 - - 射程10m
縮地 - - - 2 移動
バックスタブ - 25 - - 縮地後有効
光の舞踏 - - - 2 能力置換
コンセントレイト - - - 2 Cr値-2(3)
レーザーファン - - - 3 範囲化/至近不可
8(11) 31 18 9 -

構築解説

 前書きのとおり《バックスタブ》には裁定の曖昧性を排除できないという運用の上で大きな問題がある。これを解除する、つまり誰もが納得できる完全版として扱うにはどうすればいいのか。文句が付くところは「至近で《縮地》してその場にとどまるのはどうなの?」というところなので、解決法としては以下が考えられる。

  • 1. 《縮地》で移動し、エンゲージ外から白兵攻撃を行う。(「ワイヤーウィップ」、《伸縮腕》(EA p.67)等)
  • 2. 《縮地》で移動し、《一閃》(EA p.73)で攻撃する。
  • 3. 《縮地》で移動し、《吹き飛ばし》(EA p.60)で敵の方を飛ばす。
  • 4. 敵とエンゲージした以後の使用は諦める。

 現実的な話をすると別に4でもいい気はするが、それだと今回の記事のコンセプトに合致しないので却下。3は《氷の茨》(HR p.83)型ならかなり自然な形で採用できるものの敵が近寄ってくる可能性をケアできないのでやはり見送り。1か2で妥当な方法を探す。

《縮地》と射程変更/移動エフェクトの二重取り

 《バックスタブ》の前提条件という印象が強く忘れられがちであるが、《縮地》はジャンルで言えば移動エフェクトである。離脱効果もあるので「射程:視界」のRC攻撃で無限にバックステップしながら引き撃ちし射程に限界のある相手を完全に無力化することも理論上は可能*1。即ちデザイン上は《斥力跳躍》(EA p.31)や《イオノクラフト》(EA p.37)の仲間であり、ここに更に射程変更エフェクトや《一閃》を噛ませようと思った場合、移動エフェクトを二重で取得するような無駄が発生する。これをあえて使う必要性を別途用意してやらねばならない。《バックスタブ》のためだけにそれやるのもナンセンスかなと。
 ……《一閃》を使うメリットはちょっとすぐ思いつかないので後回しとして、射程変更のメリットはなんとなくわかる。「1. 相手に近づかなくてよくなる」「2. 『同じエンゲージに攻撃できない』効果を使える」「3. 『対象:n体』のエフェクトで別々のエンゲージを攻撃できる」あたりか。同じエンゲージに攻撃できない白兵エフェクトは――いや《飛礫》(EA p.60)とかいうのもあるが今度は《飛礫》を使う理由がない――ちょっとなさそう。するとやはりn体攻撃なのか?
 キャラデータをご覧になった賢明な読者諸君にはもうおわかりかと思うが、結論から言うと、なんと同じエンゲージに攻撃できない白兵攻撃をすることになったのだ。

《光の舞踏》

 能力置換!【感覚】は【行動値】に繋がるので他の類似エフェクトと比して具体的なメリットが大きい。「実験体」との相性も抜群だ。今回はエンジェルハィロゥの「技能:シンドローム」の踏み台になる役割もある。

《レーザーファン》

 至近に攻撃できない白兵エフェクトなんかあるわけないだろ!あったわ。単体だとただのデメリット付きの《血の宴》(EA p.48)みたいなエフェクトであるが、上記のとおり《光の舞踏》と噛み合う利点がある。長い白兵武器が必須なんだけどね。
 ちなみにこの構築、《レーザーファン》が至近に攻撃できないから「ワイヤーウィップ」と組み合わせようというところから着想したのではなく、先に《光の舞踏》+「ワイヤーウィップ」+《バックスタブ》があって、そこに《レーザーファン》がカチっと嵌まるという作られ方をしている。何故先に《光の舞踏》を使おうと思ったのかはよくわからない。

コメント

 侵蝕値9で【行動値】18から繰り出される攻撃力31の範囲攻撃はなかなか悪くないんじゃないですか。
 ちなみにエンジェルハィロゥ/モルフェウス/オルクスにして《縮地》LV4《バックスタブ》LV5(「デモンズシード」(HR p.87))みたいな具合にすると、いくらかの能力及び《縮地》使用回数と引き換えに【行動値】が21とかいう化け物が誕生する。言うほど変わらんな。

没ネタ1

  • 肉体ワークス
  • シンドローム:バロール/ソラリス/オルクス
  • Dロイス:「実験体」(LM p.63)⇒【社会】+4
  • 能力:肉体1/感覚1/精神3/社会8(使用経験点0)
  • エフェクト(使用経験点125)
    • LV4 《縮地》EA p.98
    • LV4 《バックスタブ》EA p.102
    • LV2 《コンセントレイト:オルクス》EA p.129
    • LV1 《ディストーション》BC p.65
    • LV1 《要の陣形》EA p.97
    • LV1 《時間凍結》EA p.33
  • 計125点

 武器は「ワイヤーウィップ」。射程変更はやっぱりn体攻撃でしょということで《要の陣形》を頑張って《ディストーション》する。オルクスの低すぎる【行動値】を《時間凍結》でどうにかできないかなと思って作ったがシナリオ1回の一発屋のわりにやることが地味なので没。

没ネタ2

  • 肉体ワークス
  • シンドローム:エグザイル/サラマンダー/オルクス
  • Dロイス:「遺産継承者」(LM p.109)⇒「蛇王の外套」(LM p.120)⇒《原初の黄:戦いの予感》
  • 能力:肉体5/感覚1/精神1/社会2(使用経験点0)
  • エフェクト(使用経験点115)
    • LV4 《縮地》EA p.98
    • LV4 《バックスタブ》EA p.102
    • LV2 《コンセントレイト:エグザイル》EA p.129
    • LV2 《伸縮腕》EA p.67
    • LV1 《怒涛の大蛇》HR p.80
    • LV1 《原初の黄:戦いの予感》EA p.23/122
  • アイテム(使用経験点10)
    • 「エンチャント」(BC p.70)
  • 計125点

 武器はなんでもいい。「大槌」(IC p.79)あたりが強いかな。どうせ射程変更使わざるを得ないなら《怒涛の大蛇》のための《伸縮腕》という形にすれば無駄がない!と思って組んでみたやつ。没1と同じくちょっとやっぱり一発屋臭がひどくて没。
 【行動値】上げるDロイスは数あれど初期値3をシーン攻撃まともにできるレベルまで引き上げられるのは《戦いの予感》LV2くらいしかなかった。クライマックス開幕で100%超えるよう祈ってくれ。

*1:戦闘マップに限界がある等で不可とするのが妥当と思うが。