ダブルクロス、「行う」が全部「行なう」なのちょっと気になりますよね。
議題：射撃武器を使用した攻撃に「射撃攻撃を行なう」エフェクトは組み合わせられるか？
- A. できないと書かれていないので、できるでよいのでは。
考察
議題の状況が発生するのは以下の2通りが考えられる。
- 《ウルトラボンバー》(EA p.66)を使用した攻撃に「拳銃」(R1 p.176)のような射撃武器を使用できるか。
- 「カリギュラ」(UG p.38)を使用した攻撃に《絶対の恐怖》(EA p.115)のようなエフェクトを組み合わせられるか。
自爆するエフェクトである《ウルトラボンバー》に射撃武器が使えるとするのは演出上違和感がある。同じく射撃攻撃を行う「技能：<射撃>」の《死神の針》(EA p.66)のように「装備している武器の攻撃力は加算できない」のテキストが入っているのが本来の形でありこれは誤植なのではないかとも思ったが、公式のエラッタ集 (
http://www.fear.co.jp/dbx3rd/support/edc3_190926.txt ) で《死神の針》にその文章を後から付け足しているのに対し《ウルトラボンバー》はそれがないため、見落としの可能性は低く*1、ともすればこれが仕様であって、この一文がないことをもって武器が使用できることの根拠のひとつになりうる。
一方「カリギュラ」のテキストにも違和感がある。<交渉>が攻撃力となる一方、エフェクトを使用した攻撃にもこの攻撃力が反映されるという効果である。「カリギュラ」を装備しているなら(そして可能なら)普通これを使用するため、つまり額面通り受け取ると<交渉>の倍の数値での攻撃が可能となるわけだが、もし最初からそういうデザインなら、攻撃力を「<交渉>×2」にするとか、「種別：その他」にして<交渉>のエフェクトによる攻撃に「<交渉>×2」の追加ダメージが乗るような常時効果にすればよいのではないか？いや、もちろんそうした場合武器の攻撃力を参照する 《オーバーロード》(EA p.101)や武器による攻撃を参照する「サイドリール」(HR p.88)等との兼ね合いがあるため現行のテキストにも全く意味がないではないが、いかんせん迂遠に見える。つまりこれをデザインした人は「カリギュラ」と「エフェクトによる攻撃」が別々のものだと考えていたのではないか？……これは単なる憶測である。
近い裁定
Ｑ：リニアヴィークルによる〈ＲＣ〉を使用した白兵攻撃に、《雷の槍》のような射撃攻撃を行なうエフェクトを組み合わせることはできますか？
Ａ：できません。
（公式FAQ）
回答が簡潔すぎる！何故できないのか書いてほしい。推定だが『「白兵攻撃を行なう」、「射撃攻撃を行なう」と書かれたエフェクトは、お互いを組み合わせることはできない。』(R1 p.253)の準用と思われる。
また、「白兵（射撃）攻撃を行なう」と書かれたエフェクトを複数組み合わせた場合、その攻撃力を合計すること。
『ルールブック1』p.253
これは「～攻撃を行なう」とあるエフェクトが攻撃力増加エフェクトとしても挙動することを示している。確かにテキストも「攻撃力：+6」とかでプラス表記だ。
結論――記述の有無による判断
「できないと書かれていないので、できる」と「できると書かれていないので、できない」は表裏一体である。前者は「通常できる」という前提が必要であり、後者は「通常できない（記述がない）」前提が必要である。
今回の場合、「攻撃にエフェクトを組み合わせることができる」「『白兵（射撃）攻撃を行なう』と書かれたエフェクトは攻撃力増加としても挙動する」という前提の中で、「リニアヴィークルの裁定では『白兵攻撃』『射撃攻撃』の違いに言及していたが、『攻撃を行なう』こと自体には言及していなかった」「攻撃及びエフェクトの組み合わせのルールにも不可能と明記されていない」ことから、「できる」という回答を導き出した。
その他
- 「攻撃を行なう」エフェクトは今回示したエフェクトの他RC・交渉エフェクトの大多数が該当するが、白兵や射撃にはほとんど存在しない。攻撃宣言に武器を使用するからである。では例えば《アームズリンク》(EA p.37)は「攻撃を行なう」エフェクトじゃないのか……？という問題が出てくるのが「失われし歌声」(RW p.56)である。似たような効果の「コネ：霧谷雄吾」(HR p.19)は「攻撃には使用できない」と明記してあることを考えると、フレーバー的にはともかく、ルール上は不可能とする根拠がなさそうである。
- 公式エネミー「マッドサイエンティスト」(PE p.116)は武器を使用しない白兵/射撃攻撃キャラで、通常は《インスタントボム》を使用し、ピンチになると《ウルトラボンバー》を使用する。……武器は使用しない。
*1:ないとは言えない。
