ダブルクロス:メジャーアクションのルール整理と「起点エフェクト」について

 メジャーアクションのルールを掘り下げつつ「起点エフェクト」について整理する。ダブルクロスは複数のルールブックに散らばった無数のルールを繋ぎ合わせて遊ぶゲームなのでこういう記事が必要なのだ。


 記事を書いていたらだらだら長くなってしまったので要点を先にまとめる。

  • 攻撃を行なうには、武器か、「攻撃を行なう」と書かれたエフェクトが必要。
  • A.「技能:シンドローム」のエフェクトを使用するには、別途「技能:シンドローム」以外のエフェクトを組み合わせる必要がある。
  • B.「攻撃を行なう」と書かれたエフェクトを使用しても「[攻撃力:+n]の○○攻撃を行なう」と書かれていなければダメージは発生しない。
  • 上記AまたはBを解消するために必要なエフェクトのことを「起点エフェクト」と呼ぶ人もいる(公式の語ではない)。

 以下目次

攻撃の種類

白兵攻撃 素手や刀剣などの白兵武器、もしくは白兵攻撃の効果を持つエフェクトを使用して行なう攻撃である。
射撃攻撃 銃器などの射撃武器、もしくは射撃攻撃の効果を持つエフェクトを使用して行なう攻撃である。
(『ルールブック1』p.242)

 ヴィークルを使用した攻撃についてはここで触れられていないため、かつては強い違和感を感じたものだ。まさか武器として扱われるとは。

Q:〈運転〉技能や《ヘヴィギャロップ》を使用してヴィークルで攻撃した場合、攻撃に使用した武器を参照するデータはどのように処理を行えばよいですか?
A:ヴィークルで攻撃を行なった場合、使用したヴィークルを武器として処理を行なってください。たとえば、もし《ギガンティックモード》を組み合わせていた場合、攻撃後にヴィークルは破壊されます。
(公式FAQ)

起点エフェクトとは?

 非常に便利な語である一方、公式のものではなく、またその意味するところを一言で説明することが非常に難しい、いわば概念的な語。それが「起点エフェクト」。何故かというと「できない」ルールから派生した、「できる」ルールを説明するための語だからである。「違法○○」に対する「合法○○」みたいな感じ。主に以下の2通りの使われ方がある。

  • A. 「技能:シンドローム」以外のエフェクト。ただし、「技能:-」のエフェクトを指すことはほとんどない。
  • B. 攻撃力の設定された「攻撃を行なう」エフェクト。
Aの起点エフェクト

「技能:シンドローム」のエフェクトは、他にそのエフェクトと同じシンドロームに属するエフェクトと組み合わせれなければ使用できない。
(中略)
ただし、「技能:シンドローム」のみを組み合わせて使用することはできない。「技能:シンドローム」のエフェクトを使用する際には、必ず同じシンドロームで、技能が確定しているエフェクトを最低ひとつは組み合わせて使用すること。
『ルールブック1』p.257

Q. 「技能:シンドローム」のエフェクト同士を組み合わせれば、他のエフェクトを組み合わせなくてもよいのでしょうか?
A. いいえ、必ず同じシンドロームかつ「技能:シンドローム」以外のエフェクトを最低ひとつ組み合わせてください。
『ルールブック1』p.325

 Aの「起点エフェクト」は、専ら「『技能:シンドローム』のエフェクトを使用するために別途必要な、技能が設定されたエフェクト」というようなニュアンスで用いられる。「《光の舞踏》(HR p.76)を起点エフェクトとして採用すれば《マスヴィジョン》(EA p.26)が乗る」みたいな感じ。「『技能:シンドローム』のエフェクトを使用するには別途起点エフェクトが必要」といった言い方もある。
 ここで注意したいのは、いかに技能を持つエフェクトであったとしても、それ単独で使用できないものもあるという点。例えば《増加の触媒》(HR p.83)や《虚構のナイフ》(CE p.66)は「攻撃を行なう」エフェクトではないので、「攻撃力を+nする」と書かれていたとしても、これらのみを使用して攻撃を行なうことはできないのだ――もちろん、武器があれば別であるが。

Bの起点エフェクト

 攻撃には武器か「攻撃の効果を持つ」エフェクトが必要であることは先の「攻撃の種類」で引用した記述から読み取れるところであるが、実は隠されたルールがもうひとつある。武器を使用せず、攻撃力のないエフェクトのみで攻撃を行なう場合、ダメージを与えることはできないというものだ。

Q:《幻惑の光》のように攻撃力のない攻撃を行なうエフェクトと《主の右腕》のように攻撃力を上昇させるエフェクトを組み合わせた場合、ダメージを与えることができるようになりますか?
A:できません。武器を使用せず、攻撃力のないエフェクトのみで攻撃を行なう場合、ダメージを与えることはできません。ダメージを与えたい場合、《光の弓》のように攻撃力の設定されたエフェクトを組み合わせてください。武器を使用した攻撃の場合は、攻撃力のないエフェクトのみを組み合わせてもダメージを与えることは可能です。
(公式FAQ)

 驚くべきことにこのルール、『ルールブック1』に記載がない*1。書かれたルールのみではダメージが発生するようにしか読み取れず、わざわざFAQを読まない限り判明しない。普通にプレイしていたら永遠に気付かないこともありそう。
 これを解消するためのエフェクト、すなわちこのFAQにあるところの「攻撃力の設定されたエフェクト」をして「起点エフェクト」と呼ぶ場合がある。……個人的には、こちらには「攻撃力の設定されたエフェクト」という公式の語があるのだから、それを使った方がよい気がしないでもない。

特殊なメジャーアクションのエフェクト

 「タイミング:メジャーアクション」のエフェクトの中には、攻撃に関与しないものが存在する。《物質合成》(EA p.86)、《インスピレーション》(EA p.89)といった「技能:-」のものもあれば、《ナーブジャック》(EA p.102)や《さらなる力》(EA p.117)のように技能が設定されているものもある。
 これらは「エフェクトの組み合わせ」(R1 p.252)に則って組み合わせることが可能だ。これらと「攻撃を行なうエフェクト」を組み合わせた場合どうなるのか。

Q:《大地の牙》と《ナーブジャック》のように、リアクションが異なるエフェクトを組み合わせた場合、どのようにリアクションを行なえばよいですか?
A:リアクションを行なうキャラクターがどちらかを選択し、1回だけリアクションを行なってください。リアクション側が対決に勝利すれば、組み合わせたエフェクトすべての効果を受けなかったことになります。質問の例の場合、《大地の牙》による攻撃は命中せず、《ナーブジャック》の効果も受けません。
(公式FAQ)

 ここではダメージが発生するか否かについて触れられていない。触れられていないということは、否定されていないということであり、テキストはその通り処理できると考えられるため、これらを組み合わせても問題なくダメージは発生するとするのがよいだろう。

コメント

 慣れればシンプルだがこうして改めて整理すると細かい制約の多いルールである。おまけに記述が散らかっているものだからまとめて把握しづらい。やはり最強攻略wikiが必要か?

*1:ないよね?版上げとかで実は書いてあるとかあったらご一報ください。