ダブルクロス:ヴィークルに搭乗する方法まとめ

 ヴィークル、初めから乗るか?マイナーで乗るか?

はじめに

 ラウンド進行中に搭乗状態になる、または搭乗状態を解除するにはマイナーアクションを必要とする(R1 p.261)。よって、ヴィークルを使用して攻撃を行いたい場合はまずマイナーアクションを消費して、その上でエネミーにエンゲージする(または射程を延長する)必要がある。
 私は長らくこの処理に疑問を抱いていた。ヴィークルに乗る/乗らないというのは武器の装備/所持と同様にフレーバー的な処理であり、初めから乗っていても、また《折り畳み》(EA p.87)などのイージーエフェクトで演出的に即座に搭乗しても、別にいいのではないか。また、そこまでしなければならないとすると、流石にデータ上使いづらすぎるのではないか?と思っていたためである。
 しかし最近この考えを改め始めている。マイナーアクションでわざわざヴィークルを持ってくるアイテムが登場したというのもあるが、やはりこの点を自由にしてよいとすると「コーリングシステム」(PE p.40)や「コマンドモービル」(UG p.30)のような効果を無下にすることになるし、もっと言えば戦闘前に武器を作成するなどの行為と大差ないということに気付いてしまったからだ。設定上乗りっぱなしのヴィークル(車いすとか)なら別にいいと思うんだけど、そうすると今度は乗りっぱなしとそうでないヴィークルにフレーバーによるデータ上の有利・不利が生まれてしまう。とどのつまり、フェアでない。
 もちろん細部はGMに確認すればよいが、ここではマイナーアクションを消費する必要があるという前提で攻略方法を検討していく。

一覧

方法 経験点
《メカニカルアクション》互換+マイナー移動エフェクト 30
セットアップ移動エフェクト 15
《異形の転身》 15
《マグネットムーブ》 15
《ヘヴィギャロップ》+射程変更エフェクト 30
《異形の影》+《影絵の兵士》 30
ドロップアウト」+「FHイシュー」+「コーリングシステム」 20

《メカニカルアクション》互換+マイナー移動エフェクト

  • 必要経験点:30
  • 備考:特になし

 「マイナーアクションの行動を行える」エフェクトと移動エフェクトを組み合わせて、搭乗しながらエンゲージする。前者にはブラックドッグの《メカニカルアクション》(EA p.40)、ノイマンの《クイックモーション》(EA p.90)、一般の《マルチアクション》(EA p.131)が該当する。
 移動エフェクトも一般にあるため、あらゆるシンドロームで使える。考えうる選択肢の中で最もオーソドックスだが最も重い。乗って接敵するためだけに30点消費するのマジ?最初からエフェクトなので移動エフェクトだけで済む《ヴィークルモーフィング》の方が取り回しがよく見えてくる。

セットアップ移動エフェクト

  • 必要経験点:15
  • 備考:セットアップから自分のイニシアチブまでに相手が離脱すると攻撃できない

 マイナーアクションは搭乗に費やすので、セットアップの時点で移動しておく。バロールの《空間圧縮》(EA p.30)、ハヌマーンの《スタートダッシュ》(EA p.75)、一般の《クイックダッシュ》(EA p.130)あたりが該当する。《クイックダッシュ》はそこそこ重いが《空間圧縮》あたりは軽く、マイナー移動エフェクトと比べても遜色がない。セットアップで接敵することで白兵エネミーの味方エンゲージへの突進を防げる……場合もある*1
 難点は上記のとおり、相手のイニシアチブで《ハンティングスタイル》(EA p.60)《破壊の爪》(EA p.59)しながら後方の味方のエンゲージに突っ込んで《血の宴》(EA p.48)みたいなことをされると攻撃が届かなくなって悲しい思いをすることになる。

《異形の転身》(EA p.65)

  • 必要経験点:15~
  • 備考:シナリオLV回

 マイナーアクションは搭乗に費やすので、イニシアチブの時点で移動する。セットアップ移動に比べ、自分の行動できるイニシアチブプロセスに使用すれば相手が逃げる心配もなく、侵蝕値がやや重い点を除けば優れていると言える。シナリオLV回だがクライマックス戦闘開始時にきっちり100%に行ける自信があればミドル1回、クライマックス1回と仮定してLV1でも運用可。
 難点はシンドロームが限られることだろうか。エグザイルには<運転:>に使用できるエフェクトが存在しないのでそこのところをどうにかしたい。《崩れずの群れ》(EA p.67)とかはヴィークルと相性いいんだけど。

《マグネットムーブ》(EA p.41)

  • 必要経験点:15
  • 備考:80%制限、味方の攻撃を阻害する可能性

 マイナーアクションで移動できないなら相手を連れてくればよい。侵蝕値も軽くデメリットも少ないが80%制限なのが気にかかる。また、味方が同じエンゲージにいるキャラクターを攻撃できない場合などに問題が発生する可能性がある。

《ヘヴィギャロップ》(BC p.57)+射程変更エフェクト

  • 必要経験点:30~
  • 備考:ダイス減少等のデメリットがある

 《ヘヴィギャロップ》で運転技能を<白兵>に変換し、射程を延長するエフェクトと組み合わせることで移動なくして攻撃を成立させる。主な例としてはエグザイルの《伸縮腕》(EA p.67)、ハヌマーンの《かまいたち》(EA p.74)や(射程変更ではないが)《一閃》(EA p.73)、サラマンダーの《フレイムタン》(EA p.108)、ウロボロスの《シャドーテンタクルス》(BC p.68)など。技能切り替えるためだけに15点+ダイス減少デメリットが付くと考えるとなかなか脳に来る。
 移動しないので同じエンゲージにいる射撃/RCアタッカーをカバーリングできるなどの利点がある。また《一閃》の場合、ヴィークルの全力移動補正でものすごい距離を移動できる。実戦で役に立つかはよくわからないが。
 ちなみに《タブレット》(EA p.115)や《幻想の色彩》(EA p.123)はエフェクトの射程を変更する効果であって攻撃の射程を変更するものではないので、攻撃に組み合わせても射程は武器やヴィークルのものに依存すると理解している。

《無形の影》(EA p.124)+《影絵の兵士》)(EA p.121)

  • 必要経験点:30
  • 備考:侵蝕値が重い、シーンLV回

 あらゆる攻撃の射程を視界にしてくれる組み合わせ。ただし重い。《コンセントレイト》抜きの基本セットですでに6。入れると8からのスタート。まだ《ヘヴィギャロップ》の方がましに見えてくるがあちらと違いダイス減少はないので一応経験点効率的にはいい勝負だったりする。

ドロップアウト」(UG p.34)+「FHイシュー」(UG p.43)+「コーリングシステム」(PE p.40)

  • 必要経験点:20
  • 備考:「UGN共通」「UGNイリーガル」以外のエンブレムを取得できなくなる、元FH設定が必要、その他FHアイテムも常備化可能となる

 FHと同じ土台に立つためだけに20点必要なことある?*2という疑問はさておき、取り回しと経験点効率だけを考えるとかなり上位に食い込む組み合わせ。セットアップに搭乗すれば装甲も最速で適用されて最高。「ガードシールド」(PE p.38)他優秀なFHアイテムもついでに常備化できるようになるのもよい。

その他:《ヴィークルモーフィング》(EA p.81)+移動エフェクト

  • 必要経験点:30~
  • 備考:特になし

 ヴィークルにマイナーで乗る方法でなく《ヴィークルモーフィング》を採用すれば、あとは移動エフェクトだけで済む。必要経験点欄に30と書いたがヴィークルを用意する分も含まれているため移動に要しているコストは実質15点のみ。
 ヴィークル自体をその場で作れるため「どうやって持ってくるの」問題もまとめて解消してくれるという地味な利点があったりする。ただこの記事はどうやって既存のヴィークルに乗るかの記事なのだよな。

その他:「コマンドモービル」(UG p.30)

  • 必要経験点:30
  • 備考:UGN支部長専用

 UGN支部長専用のすごいヴィークル。なんと「コーリングシステム」がプリインストールされている。「あなたはこのアイテムを呼び、」という謎の効果テキストがある(呼ぶって何?)。多分リボルギャリーみたいに勝手に走ってきてくれるのだろう。
 セットアップ搭乗とダイス増加効果を加味するとパフォーマンスは十分。支部長専用だがヴィークルに乗りたいだけなら選択肢としては十分アリだ。 

コメント

 ヴィークルに乗るということそれ自体にそこそこ大きい足枷が付いている。そうまでして使う価値のあるデータなのか?というと、そもそも開発側はヴィークル関連のルールを「スポットルール」に追いやるなど通常運用されると想定していないかのような立場をとっているので、つまりそういうことなのだろう。
 「コーリングシステム」が一般化していないのがだいたい悪い。「FHPCにしか使えない(Dロイスに付随した)アイテムがある」のはいいけどそれだったらUGNPCにしか使えないアイテムもないとバランス取れないじゃん*3。レネゲイドビーイングもそうだけどワークスというフレーバー要素でキャラメイク時の選択肢の数に明確な差を作らないでほしい。

*1:離脱できるエフェクトがなければ。

*2:厳密に言うと、FHはFHというだけで専用アイテムを使えるわけでなく、専用のDロイスを取得して初めてFHアイテム常備化権を得る。だから一般Dロイスと組み合わせて使うにはどのみち「FHイシュー」が別途必要になるため、そういう意味での格差は正味5点分である。

*3:エンブレムもUGNとFH同数なのでバランスの改善にはなっていない。