クラヤミクライン雑感

 クラヤミクライン。今年発売した冒険企画局TRPG。発売当初は結構界隈を賑わせていた感じがあったが、私個人としては既存のシステムで十分満足しており、またホラーがそんなに好きでもないのでスルーしていた。そんなシステムを何故だか遊び、しっかり楽しんだのでその雑感。

公式 クラヤミクライン 作品紹介ページ | 富士見書房公式 TRPG ONLINE

イントロ

「クラヤミクラインのテスト卓やります。サンプル使ってルールブックなくてもできるようにするよ」
kindle版あるやん」
「買った」

スムーズですね。

概要

 現代ホラー、というかオカルトをテーマにした作品。システムがめちゃくちゃにシンプル。基本的にシナリオが最初から「異空間からの脱出モノ」に限定されていて、自由度と引き換えに全体のテンポがかなりよい。判定も安心と信頼の%ロールである(1D10だけど)。
 クトゥルフと違う点としてはもうひとつ、PCは基本的にどこかしらまともではないという設定が最初から付いていて、何らかの異能をもって怪異に真っ向から立ち向かう、というのがある。取り込まれれば普通にロストするので注意が必要な点は変わらないが、いつ正気を失うかという恐怖に苛まれることはあまりなく、終始攻めの姿勢でいけるというのも展開のわかりやすさに貢献している。この辺はかなりダブルクロスに近いテイスト。
 キャラシート作成もライフパスと特性だけ選べば終わりだ。そういう意味ではTRPGの入門に多少向いているか。

感想

 とにかくインスタントに遊べる。そしてシステム部分の比重が少ないということは、その分の労力をフレーバーに回せるということでもある。テーマがテーマなのでかなりエモい展開にもできるぞ。
 逆に、クトゥルフのような重厚な世界設定・判定システムや、剣とか魔法を使ってドンパチこそがTRPG!という人には物足りないかもしれない。成長要素もかなり薄い*1

おまけ

 第1回(サンプルシナリオ)、第2回(オリジナル)ともに同じ面子でやったが、いろいろとすごかった。なんだったんだろう。

参考:
blog.livedoor.jp

*1:同じキャラを使い続けても他の新規キャラと差が開きづらいとも言える。