ダブルクロスにおける誤植+α

 ダブルクロスの公式ルールブック及びサプリメントにおける誤植について解説する。なお一部の誤植については公式でエラッタが出ているので、ここでは「公式にエラッタが出ていない誤植その他」について書く。
 執筆時点でざっと思い浮かんだものだけ書いているのでその都度更新。ネタがあればコメントかツイでリプライください。
 なお修正については他の類例に基づいた憶測として書いている。正式な回答があったわけではないので注意。

公式のエラッタはこちら → http://www.fear.co.jp/dbx3rd/support/edc3_170419.txt

誤植(ルールに影響のあるもの)

ヒューマンリレーション p.39 リレーションアイテム「天の火」
  • 誤 技能:<機械工学>
  • 正 技能:<知識:機械工学>

 そんな技能はない。「レーザーライフル」(PE p. 39)使用条件に「知識:機械工学」とあるため、それに合わせるのが妥当か。なお類例で言うと、同じくPE収録の「スカイキッド」(PE p. 40)で攻撃するための技能が<知識:機械操作>である。

バッドシティ p.55 DawnSeekersエンブレム「特攻」
  • 誤 行動値に+20する。
  • 正 そのラウンドの間、行動値に+20する。

 行動値増加の終了タイミングが書かれていない。全く同じ誤植が『ヒューマンリレーション』の「EXパスファインダー」にもあったがそちらは公式でエラッタ済み。ちなみに誤植というほどでもないが、行動値でなく【行動値】が正式な表記。

  • 2019.03.27 バッドシティ関連の公式エラッタが発表されたが、修正はされていない
  • 2020.11.09 公式でエラッタが発表された。
バッドシティ p.60 《報復の牙》

 複数を対象にした攻撃に対して使用する場合、どのように挙動するかが明記されていない。ただダブルクロス文法としてどう書くのが適切なのかもわからないので何も書いていない今の状態が正なのかもしれない。日本語として解釈するなら《孤独の魔眼》相当の「『対象:単体』とし、あなたひとりに変更」とするのが自然か。

バッドシティ p.64 《即席武器》 エラッタ済み
  • 誤 <射撃>で組み合わせた場合は「射程:20m」となる。
  • 正 <射撃>で組み合わせた場合は射撃攻撃で「射程:20m」となる。

 攻撃方法が書かれていない(<白兵>で組み合わせた場合のところには書いてある)。白兵攻撃でも射撃攻撃でもない攻撃は存在しないので、これは明らかに誤り。実際には射撃攻撃として処理するのがいいだろう。

バッドシティ p.68《創生の王笏》
  • 誤 前提条件:《再生の王笏》
  • 正 前提条件:《再生の王

 そんなエフェクトはない。額面通り受け取る場合、永遠に取得できないリミットエフェクトとなる。

誤植(ルールに影響のないもの)

リンケージマインド p.127 Eロイス「目覚める魂」
  • 誤 効果:あなたの衝動が他者に伝播し、それによって人々の破壊衝動が強まることを表わすDロイス。
  • 正 効果:あなたの衝動が他者に伝播し、それによって人々の破壊衝動が強まることを表わすEロイス

 単なるフレーバーなので影響はない。

日本語として正しいが、ルール上明らかに問題があり、誤植と推測されるもの

リンケージマインド p.104 Dロイス「遺産所持」/ヒューマンリレーション p.116 Dロイス「発明品」
  • 誤 あなたは、必要な常備化ポイントが50以下のアイテムを、常備化ポイントを消費せずに常備化できる。
  • 正 あなたは、必要な常備化ポイントが50以下のアイテムをひとつ、常備化ポイントを消費せずに常備化できる。

 どう考えてもおかしいので誤植とするのが妥当。公式の問い合わせフォームから申し入れをしてみた*1けど特に改善はされませんでした。
 「発明品」は「遺産所持」の互換で当該箇所のテキストも同じ。コピペと思われる。「遺産所持」の真上に「ひとつ」取得と書いてある「真実を知る者」が記載されているというのにこのざまである。

誤植か?(ルール上の問題はないが、テンプレートを外れている等の違和感があるもの)

ルールブック1 p.106/エフェクトアーカイブ p.32 《ダークマター

 互換エフェクトである《主の恩恵》(EA p.22)や《雷の加護》(EA p.37)と違い、「あなたが行う」の一文がない。まあ「対象:自身」なのでルール上の問題はないだろうが。

パブリックエネミー p.99 ストーリーパターンテンプレート:ダブルクロスを追え
  • 誤 ◆[協力者]の奇妙な行動
  • 正 ◆[ライバル]の奇妙な行動

 チャートのタイトル間違い。イベントチャート表ではちゃんとライバルになっているのにその表の方が間違っている。このままでは協力者が協力者を殴るあまりにも奇妙な展開になってしまう。
 なおこのシナリオは2ndの『ラディカルドライブ』からの移植であり、内容もほぼ同じである。2ndの頃はちゃんと「ライバルの」と書いてあったのにコンバートに際して変わったのはつまり……コピペではない、のか?

レネゲイズアージ p.87 「オーヴァード泳法」

 解説文が「オーヴァードダッシュ」のものになっている。

エフェクトアーカイブ p.68 《骨の剣》

 読み仮名が違う。『基本ルールブック1』では骨の剣(つるぎ)、『エフェクトアーカイブ』では骨の剣(けん)となっている。

エフェクトアーカイブ p.107 《絶対冷度》

 一般的には「絶対度」。誤植でなく造語の可能性もあるが。
 

レネゲイズアージ p.20 《贄探す雷獣》
  • 最大レベル:1

 効果がレベル参照なのに最大レベルが1のエフェクトもなくはない*2ので誤植とするのは早計だが、そもそも『レネゲイズアージ』は非常に誤植が多いサプリメントで、LV参照するのに最大1だったり、逆にLVに左右されないのに最大3だったりするエフェクトがいくつも収録されていてエラッタ祭りが開催されていた。
 そんな中、《ストライクミラージュ》も《爆雷撃》も《ヴァイタルボルト》も修正されたのに修正されずに残ったエフェクト、それが《贄探す雷獣》である。ブラックドッグのエフェクトの誤植多くね?*3

バッドシティ収録エフェクト全般 エラッタ済み

 『バッドシティ』では各シンドロームにそれぞれ6つずつエフェクトが追加されている。うちページの右下にあるエフェクトがどう見てもイージーエフェクトなのだが、イージーエフェクトであるという記述がどこにもない。同じページレイアウトの『レネゲイドウォー』にはしっかりとイージーの文字があるので、推定誤植。今のところただの重いフレーバーエフェクトとして使うしかない。

バッドシティ p.56 《デスストーカー》 エラッタ済み

 「タイミング:常時」のエフェクトだが「このエフェクトは侵蝕率でレベルアップしない」の文字がない。同じく『バッドシティ』収録の《武芸の達人》(p.64)にはその旨が書かれているので方針変更ではなく単なる誤植と思われる。ただしレベルアップしても強くなるだけで特にルール上の齟齬は発生しないため、このまま運用しても特に問題はない。

バッドシティ p.57 《ヘヴィギャロップエラッタ済み
  • 組み合わせた判定のダイスを-[3-LV]個する。

 《伸縮腕》のように(最低0個)の文字がないので、LVが3を超えるとむしろダイスが増える。100%ボーナスとか、ピュアとか。

  • 2019.03.27 バッドシティ関連の公式エラッタが発表されたが、修正はされていない
  • 2019.09.26 公式でエラッタが発表された。
バッドシティ p.66 《ファイアドライブ》 エラッタ済み
  • 難易度:対決

 支援エフェクトなのに難易度が対決。味方がリアクションを放棄すればよいだけなので運用上は問題ないと思われるが、判定するたびに~系の効果を踏む可能性があったり、「難易度:自動成功」にしか組み合わせられないエフェクトが組み合わせられなかったり、逆に判定を要するエフェクト(《リミットブレイク》等)を組み合わせられたりする。

バッドシティ p.68 《巨人の影》

 エフェクトのLVを上げる効果に共通する「この時、LVの上限を超えてもよい。」の文言がない。額面通り受け取った場合、最大LVより2低くエフェクトのLVを2上げる目的でしか使えないことになり、実用性が著しく落ちるため、単なる書き忘れと思われる。

  • 2019.03.27 バッドシティ関連の公式エラッタが発表されたが、修正はされていない
  • 2020.11.09 公式でエラッタが発表された。

その他

エフェクトアーカイブ p.41 《雷神の鎚》/レネゲイドウォー p.56 遺産継承者専用アイテム「雷神の槌」

 名前が紛らわしい。似たような例で言うとDロイスの「天才」と《天才》など。

*1:商品の誤植等に関してはFEARの公式から問い合わせが可能。個別の返信はしないが、エラッタやFAQに反映される可能性はある、とある。

*2:《ヴァリアブルウェポン》が有名ですね。

*3:公式の書籍なのにブラックドックとか書かれていることもままある。