TRPGに参加するのが不安なあなたに

春の新規参入キャンペーン。

もしあなたの周りに信頼できるTRPG経験者がいて、頼んだら卓を立ててくれそうであれば、この記事を読んで余計なことを考える必要はない。ぜひその人にかけあってTRPGデビューしてほしい。

この記事は、TRPGを知っていて、興味があって、なんならリプレイのようなものをちょっと見たことがあって、しかしそれゆえになんとなく入りづらさを感じてしまった、そんな人のための記事である。なお対象が対象なので記事も長ったらしいものになってしまっていることには留意してほしい。


TRPGやってるの見たことあるけど、身内ノリが…」「あの中に入っていくのはちょっと…」という感想を見た。もっともな話である。「ロールプレイに抵抗が…」「コミュ力がなくて…」「そもそも人と話すのが苦手で…」わかるわかる。

話が長くなるので先に結論から言うと、身内ノリを完全に排することはできない。というか、TRPGの楽しさの何割かは身内ノリから来ているという説もあるくらいで、むしろいかに乗れるかで卓の勢いが決まるといっても過言ではない。

そもそも公式リプレイからして「そりゃないよにーやん!」「見ましたか、これがデザイナーのやることですよ」「せかいいちかわいいよ!」など身内ネタのオンパレードなのである。彼らが長らく卓を共にしてきた旧知の仲同士であり、またTRPGプレイヤーとしてプロと呼ぶべき技術を持っているからこその“エンターテインメントとしての”身内ノリなのだが、初見だと面食らってしまう可能性が極めて高い。筆者も初めて読んだアリアンロッドのリプレイがなんとなく肌に合わず心が折れかけたという経験があったりする。

これを解決するもっともシンプルな方法は、そのものズバリ身内に頼むこと。具体的には「TRPG以外で繋がりのある、TRPGをプレイしている人間」に引き入れてもらうのである。何らかの手段で会話を経験しているとなおよい。

セッションだって流暢である必要はない。「○○しました。」を連呼するシステムメッセージみたいなやり取りだって立派なプレイングだ。アドリブが利かなくてもいい。なんならぶっちゃけて何をすればいいか他のプレイヤーやGMに聞いてもいい。
無様なプレイを他人に見せたくない(から参加したくない)という気持ちは嫌というほどわかるが、そこで足踏みするのはもったいない。一度爆死してみてもいいじゃあないか。どうせ相手は身内なんだから。

別に無理にコンベンションやオンライン募集に参加して見知らぬ不特定多数と卓を囲まなければならない訳ではない。そういったことに楽しさを感じるタイプの人もいるので否定はしない*1が、少なくとも入り口はもっとイージーモードでいいはずだ。TRPGというシステムはただでさえ人を選んでしまう部分があるので、出鼻でつまずくとそのままフェードアウトしかねない。それは悲しいことだ*2

人の目星がついたら次にやるべきは声掛けである。TRPGは声掛けと日程調整が8割と言われるほど卓を立てるまでが難しい。誰か誘ってくれないかなチラッチラッとか、あーTRPGやりたいなー誰かー誰か氏ーみたいな空中リプライでは雲散霧消してしまう可能性が高い。「やろう!」「やるやる!」だけで終わってしまうゆるふわなケースもある。

だから本当にTRPGをしたいと思ったらすべきはこうだ。まず対象を取る。直接リプライを送る*3。自分が初心者なら「GMやってくれませんか」これでいい。わりと人にGMをオファーするのって抵抗があるが、嫌ならいやと断ればいいだけだし、中には「ヒヒヒ…また間抜けなPLが来たね…たっぷり可愛がってやるから覚悟しな!(ぜひやらせてください!)」みたいな沼地の魔女めいた人間もいる。多くのTRPG経験者はこのゲームの間口をもっとも広げたいと少なからず思っている(気がする)ので、時と場合にもよるが、この方法がもっとも確実である。日程調整とか他のプレイヤー集めはどっちがやってもいいが頼めそうならGMにやってもらった方がスムーズだ。あとは流れに任せればいい。

気づけば君は、まだ見ぬ冒険の旅に出掛けていることだろう。

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そのうちもうちょっとまともな記事を書きます。

*1:むしろ向いているならガンガン参加するのがいいだろう。プレイできる機会が格段に増え、様々な卓を経験できるのはかなり強みだ。

*2:本当においしいトマトを知らずにトマト嫌いになるのは…みたいな話である。それと同じでどんなトマトであろうとも嫌いなものは嫌いという人もいるので無闇にTRPGを勧めるのもよくない。

*3:これはWEBカメラを使ってTCGで対戦したい場合なんかにも有効な手段である。