ダブルクロス:同じエンゲージに攻撃できない問題

 一部の射撃武器やエフェクトが持っている「同じエンゲージにいるキャラクターを攻撃の対象にできない」デメリット。特にRCキャラを使っていると避けられない問題だったりする。これについて頭の整理もかねて少し考えてみよう。

エンゲージのルール

 これがなぜ問題なのかはエンゲージの基本ルールに由来する。敵対的なNPCと同じエンゲージにいるPCは、そこから移動するためにメジャーアクションを消費して「離脱」を宣言しなければならない(R1 p.238)。メジャーアクションの消費は一手分のパスに等しく、敵に接近されるだけで一手損はかなりきつい。ゆえに、何らかの策を講じる必要がある。
 対処法は大きく分けて4つ。

  • 1. マイナーアクションで離脱できる移動エフェクトを使用する。
  • 2. 至近にも攻撃できるようになる効果を使用する。
  • 3. 至近に攻撃できないのは諦める。
  • 4. その他。

1. マイナーアクションで離脱できる移動エフェクトを使用する

 前に武器作成と移動に関する記事を書いたが、それの射撃攻撃版がコレ。
north-seeker.hatenablog.com
 《ハンティングスタイル》や《氷の回廊》を取ればマイナーアクションで離脱できる。経験点15点也。おそらく最もポピュラーな対処法だが、デメリットを打ち消すためだけに移動エフェクトを取るのもなんだかもったいない気もしますよね。他のマイナー系エフェクトを一緒に取っておくとなんとなくお得感。

2. 至近にも攻撃できるようになる効果を使用する

 一部のエフェクトには、至近にも攻撃できるようになる効果が付与されている。

  • 《零距離射撃》:ノイマン。射撃武器の至近攻撃不可を打ち消せる上にダイスも増える。至近にしか使用できないので、むしろ白兵武器のように積極的に相手に接近する必要がある。
  • 《黒星の門》:バロール。ピュア専用なので使いどころが非常に限られているが、こちらもデメリットを帳消しにした上にダイスが付いてくるのでパフォーマンスは良好。場合によってはDロイスの亜純血も考慮か。
  • 《雷の剣》:ブラックドッグ。普通に《雷の槍》辺りに使ってもいいが、RC技能が付いているので他のシンドロームのエフェクトと組み合わせる方が多いかもしれない。

3. 至近に攻撃できないのは諦める

 諦めるのは対処じゃないじゃん!と思われるかもしれないが、対処に使う分の経験点を他に回せるので、汎用性が落ちる代わりに火力を伸ばすなどの手が取れる。割り切るのも一つの方法。専ら初期経験点での構築においては「何かを諦めなければならない」場面が多くある。「最適」を目指すのはもちろんだが「完璧」である必要はないわけだ。とはいえ、春日が開幕突っ込んできて何もできずに終わるとかのリスクはあることを念頭に置いて使うべし。
 なおこの点については、特に《氷の塔》(EA p.106)のように範囲攻撃かつ同一エンゲージに攻撃できない場合の疑似的な対処策として、【行動値】を上げて先手を取り後方へ激烈に移動することで実質的に敵の接触をないものとする、というテクがある。《加速装置》(EA p.38)や《先陣の火》(EA p.107)といった上げ幅の大きいエフェクトを使って25mとか30m後方に下がれば白兵エネミー突っ込んでこれなくね?理論。GMによって、あるいは建物の中であるなどのシチュエーションによって大幅な後退が許されない場合がある点には留意したい。

4. その他

 いくつか裏技が存在する。

  • 戦闘ヘリ……最初から飛んでいる。チェーンガンと装甲も付いてきてお得だが、いろんな意味で重い。
  • スカイキッド……FH専用。同じく飛べる。こちらは軽い上にコーリングシステムも使えてかなり現実的である。
  • ジェットスーツ……セットアップにしか宣言できないがUGNでも使える上、道中で調達することで実質的な使用経験点を0にすることもできる。最速で動ける射撃キャラなら敵のエンゲージを見てから使ったりできるかもしれない。
  • 生態特徴:飛行……Aオーヴァード専用だが特にこれといったリソースを使用せずに飛んでいられるめちゃくちゃ便利なアイテム。

 あとステージ専用の空飛ぶヴィークルとか。

コメント

 基本的には好みの問題である。状況が許すなら他PCとのバランスで考えてみてもいいだろう。例えば最速で相手にエンゲージできる白兵アタッカーがいれば敵が後方に突出してくる可能性は減るし、《ファンアウト》持ちがいればエンゲージが開幕でばらけるため自分が狙われる危険性が減る、など。ダブルクロスはトータルバランスのゲームなのだ。