『逃げゾンビ/Run Fight or Die』

 ゾンビ系ボードゲーム。邦題がやたら雑で原題は「Escape from Zombie」とか「Ach! Zombie, Run!」とかその辺かなと思ったら「Run Fight or Die(走れ戦えさもなくば死ね)」だった。


 キャラクターを1人選んでゾンビを蹴散らしながら市民を連れ帰るゲーム。絵付きのダイスを振りなおしたり振りなおさなかったりする辺りは『キング・オブ・トーキョー』を髣髴させる。ダイスの目によって行動が変わり、1個の「イベントダイス」によって様々なイベントが起き(良いことと悪いこと半々)、6個のアクションダイスの出目でゾンビを倒したり準備を整えたりする。2回まで振りなおせるが、アクションダイスの目のうち1つはゾンビ召喚であり、またゾンビの目は振りなおしにペナルティがかかるため、必ずしも振りなおし続けるのがよいとは限らないのがミソ。
 各プレイヤーにはゾンビとの距離を示すパネルが配られ、そのパネルにゾンビを配置することで「どれくらいの距離に何体いるのか」を表現する。基本的にはもっとも遠い「第3ゾーン」にゾンビがガンガン召喚されまくるので彼らから逃げるのが主たる生存手段となる。逆に「第2ゾーン(やや近い)」や「第1ゾーン(至近)」まで近づいてきたならば「バット」や「拳銃」の出目で攻撃して倒す必要がある。

 「逃走」の出目が非常に強く(タイトルに「逃げ」とあるくらいだし仕様なのだろうが)、全ゾーンのゾンビすべてを1ゾーン分後退させることができる。第3ゾーンのゾンビは消滅。ゾンビが出現するのは第3ゾーンがメインなので、毎ターン「逃走」を出し続ければよほどのことがない限り死なない……と思われる。ゾンビゲーというと死にゲーのイメージが強いが、むしろゾンビを片手間に蹴散らしつついかに効率よく住民を拾い集めるかが重要なゲームに感じた。2人プレーでの感想なので、3人4人とプレイヤーが増えればもっとゾンビがわらわらするのかもしれないが。

 勝利条件もといゲームの終了条件はいくつかあり、いずれかのプレイヤーが死ぬ、合計の住民数が定数に達した時点で特定のマップを引くなどあるが、能動的に勝利できるのは「住民を5人集めてきて最終フェイズを宣言し、ターンを1周させる」のみ。つまるところ戴冠式。いずれの方法でも、最終的に集めてきた住民の価値ポイント(継承点)の合計が高いプレイヤーの勝ち。住民には「メリット持ちだが点数が低い」「デメリット持ちだが点数が高い」「5点だがうっかりするとゾンビ化する」などがあり5人揃っても2人しかいない相手に勝てないとかあり得るのでこの辺も駆け引きだろう。

 使用するカードデッキが多かったりコマを使ったり出目の結果をいちいち表で確認したりなど処理はやや煩雑だがプレイ感がもっさりかというとそうでもなく、慣れてくればわりとさくさく回せる。引きによるところも大きいが、それも含めてパーティゲームとしては悪くない感触。
 あとキャラクターカードの強さの差が結構あるように思えたので任意で選ぶよりはダイスでランダムに割り当てたほうが後腐れなくていいかもしれない。