レビュー:Outer Wilds(ネタバレなし)

 クリアしたので感想を書きます。ネタバレなし版。
 もしこれから買う人がいたら、詰まってもググらずに粘ったほうがいいよと言ってあげたい。

やたら前評判が高い

 タイムラインやら何やらで観測範囲において話題になっていたゲーム。がっつりCGのオープンワールドなのでスペック要求しそうだな~と敬遠していたが、強いPCを買ったのとサマーセールをしていたのでサクッと購入。プレイはNintendo Switch用の有線コントローラでやりました。
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※コントローラの有無は後述の操作性に大きく影響する。フォロワーがコントローラ探すのに苦労したとか言っていたので一応書いておく。

世界観

 オープンワールド宇宙探索アドベンチャー。宇宙の壮大さ、美しさ、激しさ、そして宇宙的恐怖……そういった要素がガッツリ詰まっている。こういうのがお好みならプレイをためらう必要はない。シンプルにグラフィックのクオリティが高く目で見て楽しめる部分も多分にある。

謎解き

 ジャンル的には謎解きである。作りが丁寧できちんとヒントは用意されるし、必要な情報も自動的に記録されるので私のようなアホにも優しい。誰かが言っていたが「謎解きのための謎」がないのがいい。
 それはそれとして、難しい部分もある。私も3か所ほどググってしまった。めちゃくちゃヒントを教えてくれるイージーモードみたいなのがあってもよかったんじゃないかという気がするが(ゲーム外に答えを求めるよりはゲーム内で完結させたい)、世界観との兼ね合いでそれも難しいか?きっちり読めば丁寧に書いてあるのだが、悲しいかな、気づけないのである。

操作性

 アクションゲームなので主人公や宇宙船を操作する。特にバックパックや推進装置を使用した姿勢制御は独特の操作感があり苦手な人は苦手かもしれない。自動運転モードには本当に助けられている。
 シビアなアクションが要求されるシーンはそう多くない……と言いたいところだが、何せ宇宙工学であるからして、あんな隙間やそんな空間に突っ込んでいく必要があり、パイロットとしての一定程度の資質は問われるように思う。

その他

 この手のゲームで最初から日本語がサポートされているのは大変すばらしいことであるが、一部誤字や誤植がある他、全体的に直訳テイストというか、昔の海外ドラマに出てくるアメリカ人みたいなテキストばかりでちょっとクセがある。


以下、追加の感想

 ネタバレではないが序盤のプレイ感に関する記述があるため一切情報なしでプレイしたい人は読まないことをお勧めする。

序盤の不親切さ

 特に情報がなく、よくわからないまま宇宙へ放り出される。とりあえず手近な惑星に飛んでみて、何やら見つかる情報を拾いつつ、この物語がどういうものなのかを理解していく。グラフィックはすごいが何が面白いのかさっぱりわからんという状態がそこそこ長く続く。探検自体が楽しいのと操作性に順応するのが早かったためあまり気にならなかったが、ここで出鼻をくじかれる人もいそうだ。もちろん、ゲームを進めていけば徐々に面白くなっていく。

トライアル&エラーの壁

 このゲームは正しくループものであり、ループを繰り返すことで得られるのは情報(とプレイヤーが得る情報)のみである。知識は前に進むがスタート時点での状況は変わらない。話を前に進めていって、突き当たったら何かして、という一般的なゲームとは根本的な作りが違う。謎解きゲームなので当たり前といえば当たり前だが、考えて行動しなければ一向に前に進まない。
 そしてこの試行錯誤に壁として立ちはだかるのが先述の操作性であったり、惑星間移動のシステムだったりする。時のオカリナなら水の神殿で死んでも直前の扉から再スタートできるが、Outer Wildsは惑星に行くところからまたスタートしなければならない。一言で言うと「心が折れる」。自らの取った選択肢が、正解だったけど操作の関係でたまたま失敗しただけなのか、明らかに間違っているのか、というのもわからない。このあたりに根気強く挑める人がこのゲームを楽しめているのではないかなと思う。

総論

 つまり何が言いたいかというと、間違いなくクオリティの高い、よくできた最高のゲームであることに疑いはないが、向き不向きはあるということである。
 序盤情報がないのも、向き不向きがあるのも、あらゆるゲームに普遍的に言えることなんだからわざわざ書くことないじゃんって?それもそうだな。

 ちなみに、プレイしたらマシュマロを食べたくなったという先駆者たちをたくさん見かけたが、私は楽器を演奏したくなったよ。