ダブルクロス:ドッジを行えない場合、必ずガードとなるか?

 《ツインバースト》(BC p.67)でドッジだけ封じれば必ずガードになるので《紅蓮の衣》(EA p.106)が必中するみたいな戦法を見た。ええー?ほんとにござるかぁ?と思って確認したが、どうもそんなに間違ってないっぽい。マジで?
2019.10.21 新しい知見を得たのでアップデートしました。迷宮入り案件だ!

防御判定

 ここで基本情報も含めておさらい。『ルールブック1』p.244「防御判定ステップ」の項目を確認。

 防御判定には、攻撃を回避して無効化するドッジと、武器などで攻撃を受け止めるガードの二種類がある。防御側はどちらを行なうかを決定すること。
(ルールブック1 p.244)

ガード リアクションを放棄することで、装備している武器や使用したエフェクトに設定されているガード値分だけ、受けるダメージを軽減できる。ガードに使用する武器を、装備している武器の中からひとつ選択すること。
(ルールブック1 p.245)

 この項目を見る限り、防御判定には、「ドッジをする」か「リアクションを放棄してガードをする」かの2種類しかない。
 厳密にはこの2種類だけでなく、バッドステータスの暴走やエフェクトの効果などによって「そもそもリアクションができない」ケースや、《カウンター》でドッジ以外のリアクションを行うケース、《復讐の刃》でリアクションを放棄しつつもガード以外の行動を行うケースなどがあるが、少なくともルール上の処理ではこの2つから選択する必要があるようである。自らドッジもガードも行わないという選択肢は基本的に存在しないらしい自発的なリアクションの放棄はガードと同義。
 「ドッジを行えない(選択できない)」効果はこの選択肢自体を奪うので、必然的にリアクションの放棄=ガードを導き出せるという寸法。なるほど、理にかなっている。なお「リアクションを行えない」エフェクトではリアクションの放棄それ自体が行えないため、ガードもできなくなる点に注意*1

■2019.10.21追記
 「ドッジを選択できない」(《光の裁き》)と「ドッジを行なえない」(《疾風迅雷》《プレディクション》《ツインバースト》)の表記の差があり、またドッジという語の意味に対決(=判定)が含まれる以上、「『ドッジを行なえない』とは『ドッジにおいて判定を行えない』という意味であり、ドッジを選択すること自体は可能(=強制ガードが成立しない)」という意見をいただきました。うーん、なるほど。
 結論から言うと、これが仮に「ドッジの判定が行えない」とか書いてあったら全くそのとおりだったのだが、表記ブレとドッジのルール記述のみで「ドッジを行なえない」がイコール「判定を行えない」と確定できるかというと正直弱い。弱いが、いやいやドッジの選択肢をなくす効果ですよと反駁できる根拠もなく、そもそもこの疑問が発生している時点で既に「ドッジを行なえない」というテキストを正しく読み取ることは何人たりとも不可能である(=テキストの曖昧性を解消する目途が立たないため、これについてはもう完全に迷宮入りである。当面の処理としては「できるって根拠が薄いならできないでいいんじゃないか」。
 なお《光の裁き》ならテキスト上問題なく上記の理屈が成り立ちます。実用性はともかく。

リアクションまとめ(蛇足)

  • ①ルール上の、エフェクトの効果等を一切加味しない場合(「以後『通常』と表現)においての防御判定は「ドッジを行う」「リアクションを放棄してガードを行う」の2種類しかない。それ以外の行動を行えるというルールは見当たらない。
  • ②ただしこれは、リアクションの放棄が必ずガードになることを意味しない。あくまで防御判定における『通常』の処理として、ドッジをしないならばガードとなるという意味である。例として、《復讐の刃》の効果で「リアクションを放棄」した場合、それがガードになるわけではない(後述)。
  • 【仮定】①②から、「ガード」とは「リアクション権」を「放棄」することによって発生するルール処理である。
    • ③-2 【仮定の論拠】「リアクションが行なえない」効果でガードも行なえないのは、「リアクション権」それ自体が与えられないためである。
    • ③-2-2 《光の裁き》で「ドッジを選択できない」とき、防御判定においてドッジを選択する権利は失われているが、「リアクション権」自体は失われておらず、《カウンター》等のドッジ以外のリアクションを行うことができる。この「リアクション権」を「放棄」することでガードが行なえる。このとき、ドッジ以外の方法で「リアクション権」を行使するか、ガード以外の方法で「リアクション権」を「放棄」する手段がない場合、①により、ガードとなる。
  • 【仮定】《復讐の刃》は、「リアクション権」を「放棄」する効果を持ったエフェクトである。
    • ④-2【仮定の論拠】リアクションが行なえないとき、放棄する「リアクション権」がないため、《復讐の刃》を使用できないことがFAQに書かれている。
    • ④-3 《復讐の刃》を使用したとき、「リアクション権」はその効果によって「放棄」されるため、「リアクション権」を「放棄」する必要があるガードは行なえない。
  • ⑤「リアクションを行なえない」と「リアクションを放棄することで(『通常』)」と「リアクションを放棄することで(《復讐の刃》)」はいずれも異なる意味である点に注意。

いかなる状況でもガードを行えるか?

 では、ガード値を持たない武器しか装備していない、あるいは何も装備していない場合はどうだろうか。丸腰でガードはできないんじゃない?と思ったが、ガードにはガード値のある武器が必要であるという記述がどこにも見当たらない。ガード値「-」ではガードできないみたいな記述がどこかにあった気がしたんだけどな。「ガードに使用する武器を、装備している武器の中からひとつ選択すること」という記述を「武器を装備していなければガードができない」と読むのも若干苦しい。必要条件と十分条件
 ちなみに素手は装備から外すことができる(上級 p.30)。よって、必ず素手でガードしなければならない、とはならない。

結論

 ざっと調べた限りルール上は可能。難点は相手が暴走してると不発になるくらい。ガードできないとか何かそれらしい記述を見つけた人がいたら是非教えてください。
 ただこれ、ルールの隙を突いたバグ技というか、強制ガードはフレーバー的にどうなのという気がしないでもないので、GM判断でダメになる可能性はある点に注意。

 《光の裁き》に限って言えばどうも可能。《プレディクション》《疾風迅雷》《ツインバースト》は迷宮入りだ!
 ただ「一切の効果を加味しないとき、リアクションを放棄したならば、ガードを選択したことになる」は別に間違ってないんじゃないかなと思います。

参考(思いつく限り)

  • ドッジのみを封じるエフェクト:《光の裁き》(EA p.26)、《疾風迅雷》(EA p.78)、《プレディクション》(LM p.114)、《ツインバースト》(BC p.67)
  • ガードで強化されるエフェクト:《鬼の一撃》(EA p.57)、《紅蓮の衣》(EA p.106)

*1:これ、《極大消滅波》のFAQからなんとなく読み取れるけど、そもそもどこかに明記してありましたっけ。