ダブルクロスのサプリメントを独断と偏見でガイドします。主なターゲットは「これからダブルクロスを始めたい人」「プレイヤーとして参加したい人」向けです。
なおシナリオ集は除外しています。
全部読むのが面倒くさい人向けのまとめ
- ルールブック1があればとりあえずゲームができる。まずはプレイヤーを集めよう。既にプレイしている人のところにルールブックを持って押しかけてもいいぞ。
- データだけを詰めたいなら『ルールブック1』『ルールブック2』『エフェクトアーカイブ』『リンケージマインド』の順で買うのが吉。余裕があれば『上級ルールブック』も。
ルールブック1(以降R1と表記)
- 基本の世界観
- 基本ルール
- エフェクト数件(エフェクトアーカイブにすべて収録されています)
- アイテム数件
買いましょう。ダブルクロスで遊ぶのに必要です。既に周囲にGMが存在する状況下であればこれを買ってセッションに参加すればとりあえずはダブルクロスというゲームの感覚を掴むことができます。
ルールブック2(以降R2と表記)
R1と比べると優先度は数段落ちますが別に高いものでもないので一緒に買うとよいでしょう。レネゲイドビーイングを作りたくなってもこれがあれば大丈夫。
上級ルールブック
- Dロイス/Eロイス数件(リンケージマインドにすべて収録されています)および取得のためのルール
- Sロイスのルール
- ユニークアイテム数件および取得のためのルール
- 一部基本ルールの細かい解説
- 世界観の追加情報
R1、R2とくれば上級ルールブックを買いたくなるのが人のサガですが、邪道なことをいってしまうと、上級のデータ的価値は実はそんなに高くありません。上記の通りDロイスは後述の『リンケージマインド』にすべて収録されているのです(それもアップデートされて)。データライクなキャラを作りたい状況で、かつ世界観を重視せず、金銭的にも切り詰めたいという状況下であれば『リンケージマインド』を優先するという選択肢があるでしょう。
それはさておき世界観部分はわりと重要です。形から入りたい人、もっとダブルクロス世界のことを知りたい人は優先的に購入したいところです。
エフェクトアーカイブ
- 『R1』『R2』『インフィニティコード』ほか雑誌に収録されていたエフェクトデータの調整版すべて
- リミットエフェクトのルールと新規エフェクト
- メモリーのルール
- 新しい侵蝕率効果表
なぜ発売順でなくこれを先に紹介するのか？優先度が高いからです。単純に考えて今までのエフェクトをひとまとめに確認できるというだけでもこのサプリメントの価値は計り知れません。TRPGの最大の欠点のひとつである「複数の書籍にわたる情報の散乱」に対するひとつの解がこれです。
エフェクト面においてデータライクなキャラクターを作りたい場合はとりあえずこれを買っておけば間違いありません。『R1』『R2』『エフェクトアーカイブ』さえ揃えばキャラデータの6割は完成したといっても過言ではないでしょう。あと、ウロボロスのエフェクトデータも収録されているので、実は『インフィニティコード』がなくてもウロボロスのキャラクターを作成することができます。能力値さえわかれば。
リンケージマインド
- 色つきロイスルール
- 『上級ルールブック』『パブリックエネミー』『インフィニティコード』『ディスカラードレルム』『レネゲイズアージ』に収録されていたDロイス/Eロイスの調整版すべて＋新規Dロイス/Eロイス
Dロイスのデータを充実されたいならこれ。『ヒューマンリレーション』にも既存Dロイスの簡易的なまとめが掲載されていますが簡略化されすぎていてまともな運用ができないのでやはり『リンケージマインド』が必要です。
『R1』『R2』『エフェクトアーカイブ』『リンケージマインド』が揃えばキャラデータの8割は完成したといえます。フルサプリメント環境とほぼ変わらない条件でキャラクターが作れるといえるでしょう。逆に言うと、これ以降のサプリメントはほとんどが追加アイテムのためのようなものです。
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必需品の壁
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ヒューマンリレーション
- エフェクト数件
- アイテム数件
- リレーションアイテム、Dロイス数件と導入のためのルール
ステージデータ以外だと最新のサプリメントです。『エフェクトアーカイブ』『リンケージマインド』よりも新しいので、必然それらに入っていないエフェクトやDロイスが掲載されているという利点があります。誤植が結構キツいので注意が必要です。
リレーションアイテムというのは過去の公式キャラクターやリプレイ登場キャラクターとの関係を示すアイテムデータのことです。背景世界がしっかり頭に入っていたり、リプレイを読んだりするのが好きな人にはよい追加データといえます。また、新しいので普通に強いです。
ユニバーサルガーディアン
- エンブレム(特殊なユニークアイテム)ルール
- UGNに関する世界観の補完
ワークス、つまり職業に焦点を当てた追加アイテム用サプリメントです。レネゲイドビーイングただつよ環境に一石を投じるものですが、データの強さにもかなりムラがあるので注意が必要です。UGNエージェントやUGNチルドレンといった立場の違いをデータで表すことができるのは面白いですね。
インフィニティコード
「ウロボロス」という十三番目のシンドロームが初登場したサプリメントです。その導入というのがこのサプリメントの最大のキモなのですが、先述のとおりぶっちゃけ『エフェクトアーカイブ』でほぼ完全に代用が効いてしまうので悲しみを背負う結果となってしまいました。一応、ウロボロスとはなんぞやみたいな解説はこちらにしか載っていません。
それ以外でいうと、収録されているアイテムが地味に便利だったりします。またFS判定という簡易版の戦闘のようなルールも掲載されています。
レネゲイズアージ
- アージエフェクト数件および導入のためのルール
- トレイルデータ(過去のリプレイのまとめおよびそれをモチーフとしたアイテム数件)
特殊なエフェクトを導入するためのサプリメントです。いずれも120%制限なので高経験点卓でないと使う機会が薄く、優先度も下がるかもしれません。ぶっちゃけアージエフェクトに関してはなくてもまったく問題ないレベルの代物です。でもかっこいいよ。
トレイルデータは過去のリプレイのまとめです。ダブルクロスというゲームはリプレイから派生した正式なデータが結構あるので元ネタを総ざらいできます。リプレイをこれから読みたい人はこれを読まないほうがいいかもしれません。また『トワイライト』のような外伝的なデータは掲載されていなかったりします。
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基本ルールの壁
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パブリックエネミー
- FHプレイヤー作成ルール
- FHアイテム/Dロイス数件
- シナリオクラフト用ルール
ファルスハーツ側のキャラクターを作るためのルールとデータが掲載されたサプリメントです。みんな大好きトツカも掲載されています。単純に普通のキャラより派手な効果のアイテムが多く強くなります。
またダイスを振るだけでシナリオが完成する「シナリオクラフト」というルールも収録されています。むしろ役立つ機会が多いのはこちらかもしれません。
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基本ステージの壁
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幕間：ステージとは？
ダブルクロスには「ステージ」というルールがあります。ダブルクロスの舞台となっているのは基本的に現代日本ですが、そうではなく砂塵吹きすさぶ戦場や神話の世界、古代ブリテンなど様々な世界設定でプレイしたい……という人のために用意されているのが「ステージ」です。公式による学パロや時代劇パロみたいなもんです。
これらの追加ステージのデータを基本ステージで使うことは原則としてないので、基本ステージでプレイする限り以下のサプリメントを買う必要はありません。買ってニヤニヤする分には止めませんが。
ダブルクロスthe 3rd edition リプレイ・カオスガーデン
- リプレイ
- ステージ「カオスガーデン」データ
- Aオーヴァード作成ルールおよびデータ
アニマルオーヴァードという動物のオーヴァードを作るためのルールとデータとリプレイが掲載されたサプリメントです。クトゥルフでいうと猫探索者みたいな感じです。ダブルクロスの世界の幅を広げたいなら買ってもいいでしょう。文庫本サイズで安いですよ。
場合によっては基本ステージに導入してもいいかもしれません。
ダブルクロスthe 3rd edition リプレイ・トワイライト
- リプレイ
- ステージ「ウィアードエイジ」データ
第2次世界大戦直前の世界を舞台としたステージです。敵はナチスです。ナチスゾンビとかナチスドラゴンとかナチスロボと戦う感じです。リプレイを読めばだいたいどんなものかわかるでしょう。
それはさておきこの『トワイライト』はダブルクロス2ndのリプレイ『トワイライト』シリーズの3rd追加版という位置づけです。『トワイライト』シリーズは正直正道をかなりがっつり外れた感じの話ですがとっても面白いのでリプレイの中でもかなりオススメ度の高い逸品です。
ディスカラードレルム
- ステージ「オーヴァードアカデミア」「陽炎の戦場」「デモンズシティ」「ナイトメアプリズン」「エンドライン」
ステージ集第1弾です。時系列は現代ですが、いずれも特殊な場所が舞台となっています。また「エンドライン」は「もしFHが世界を征服してしまったら？」というif世界が舞台となっています。
「オーヴァードアカデミア」……オーヴァードであることを隠さずに通うことができる洋上の孤島に存在する学校が舞台です。『僕のヒーローアカデミア』『とある魔術の禁書目録』『魔法科高校の劣等生』みたいなシナリオを作ることができます。
「陽炎の戦場」……激しい内戦が巻き起こる中東の国「クロドヴァ」が舞台となった炎の匂いがしみついてむせそうなステージです。戦車やVTOL攻撃機といった兵器のデータがちょっとだけ充実しています。
「デモンズシティ」……オーヴァードの存在が公に認められためっちゃ治安の悪い封鎖された街が舞台です。うまく説明できませんがアメコミっぽい感じでしょうか。
「ナイトメアプリズン」……非常に強力な1体のオーヴァードが張った結界によって閉じられた街に迷い込んでしまう脱出タイプのステージです。シナリオクラフトルール専用で、結末が毎回異なります。インスタントに脱出シナリオを楽しむことができます。
「エンドライン」……FHが世界を席巻してしまった世界線です。オーヴァードが公に知られています。ミスター・パーフェクトこと春日恭二様のデータなどが掲載されています。
オーバークロック(タイムリゲイン)
ステージ集第2弾です。『ディスカラードレルム』と異なりこちらは時代が現代とはまったく異なります。
「ホーリーグレイル」……アーサー王伝説の時代のブリテンです。聖杯を探しましょう。
「平安京物怪録」……平安時代の日本です。陰陽師とか出てきます。完全に余談ですが最近『鵺鏡』という平安時代をモチーフとしたTRPGが出ましたね。
「モダンタイムス」……シャーロック・ホームズとかあの辺が活躍する20世紀初頭の欧米です。くしくも？クトゥルフの時代と一致しますね。
「エピックヒーローズ」……古代ギリシャ、神話の時代です。ゼウスとかいます。
「クロノスガーディアン」……これらに挙げた時系列ばらばらのステージデータをタイムスリップしちゃおうぜというメタ的なステージです。
また、『タイムリゲイン』はこれらのステージにおける更なる追加データ集＋リプレイです。
総括
ダブルクロス the 3rd Editionもかなり成熟したシステムなのでこれから始めようって人にいろんなサプリを買わせるのは正直言って酷です。なので少しでもサプリを買う参考になればと思って書きました。質問があればいくらでも受け付けますのでどしどしご応募ください。
