ブラックドッグ。なんだかよくわからないけどかっこいいシンドロームとして名を馳せる。今回はそんなブラックドッグについて考えてみよう。
いぶし銀の性能
『ヒューマンリレーション』で《ライトニングリンク》という使いやすい高倍率エフェクトが追加されたもののリミット前提、既存の80%〜100%エフェクトは玄人好みのテイストで、ブラックドッグを取得する理由となりうる《バリアクラッカー》や《フルインストール》は使うのに工夫が必要。《MAXボルテージ》もシナリオLV回なので最後の一押し以外には使いづらい。カバーリングや飛行状態での移動などの役割を考慮した場合、<白兵>や<射撃>を用いた純粋なアタッカーないしガード役としては火力エフェクトの豊富なサラマンダーに軍配が上がる。
そんなブラックドッグで<白兵><射撃>をする最大の存在意義と呼べるエフェクト……それが《ハードワイヤード》である。いや、《ハードワイヤード》込みでも渋い性能であることに変わりはないのだが。
仕込み武器というロマン
最大LV5でその数だけ武器をスロットできるコスパのいいエフェクト。《マルチウェポン》がない限り2つ目以降の武器の意味は薄いが、<白兵>なら「アームブレード」というそこらの《破壊の爪》あたりと比べても遜色のない強力な武器を筆頭に「バトルマニューバ」で堅実に達成値を増やしたり「アーマースキン」「ダーマルプレート」で磐石の構えができたりするし、<射撃>であれば2つまでとはいえ強力な範囲攻撃を放つ「インプラントミサイル」と射撃武器にしては高水準の「リニアキャノン」が後を支える。ちょっと重いが「アームバンカー」「ヴィブロウィップ」なんかも使い道がありそうだし、何よりギミックがかっこいいぞ。
この「レベルによって取得できる効果をカスタムする」デザインは他のエフェクトにはほとんど見られない独自のもので、汎用性も高く経験点を費やす対象としても腐りづらく優秀。最大まで伸ばして《ハイマニューバー》を取るのももちろん強い。
どう使うか
ぱっと思いつくのは【肉体】に極振りできるキュマイラとの組み合わせ。ステータスに無駄がないのはビルドに美しさを求める者にとってこの上ない素晴らしさ。アイテムを色々使いたくなる都合上《完全獣化》との相性は微妙だが、ブラックドッグに欠けている火力を《フルパワーアタック》《ターゲットロック》《攻性変色》など豊富な選手層で補ってくれる。特に「アームバンカー」＋《マグネットムーブ》＋《吹き飛ばし》の組み合わせで「相手を磁力で引き寄せバンカーを叩き込み、吹き飛ばした上に硬直を与える」というライダーの必殺技みたいなムーブが可能になるのがミソである。
ブラックドッグのブラックドッグとしての強みをアピールできるのはピュアだろう。ハードワイヤードLV7……数の暴力である。そして全エフェクトの中でも1、2を争う瞬間最高火力の《雷鳴の申し子》はスーサイドだがGMがグッとガッツポーズしてボスのHPを50くらい水増しするくらいの威力がある。「ダーマルプレート」や《ペインエディター》といったHPを増やすエフェクトにも事欠かない。能力値のバランスや《フラッシングプラズマ》の強さを見ると、全シンドロームの中でも指折りの「ピュアに向いたシンドローム」かもしれない。
『デザイア』で九鬼さんが使ってからというもの定番の組み合わせになりつつあるノイマンも悪くない。《コントロールソート》に枠を割く必要こそあれ、多彩な武器を《マルチウェポン》で操れるのは火力に伸び悩むブラックドッグにはありがたい。オートアクション系のサポートを取って半アタッカー半支援キャラのようにしてもよいだろう。【精神】を伸ばしておくと《セキュリティカット》等に判定を求められた際にちょっと有利なのもポイント。
ややテクニカルになるが敢えてハヌマーンというのもいい。《一閃》はマイナーを消費して装備する必要がある「アームバンカー」と好相性だし、《フルインストール》で増やしたダイスを無駄なく扱える《ライトスピード》《リミットリリース》といった必殺技の組み合わせもなかなかロマンがある。この組み合わせだと純粋な火力にやや難があるのでDロイスで補いたいところ。
その他、モルフェウスやウロボロス、<射撃>ならエンジェルハィロゥなんかも考えられるか。オルクスを組み合わせて支援キャラという道もあるが……今回は見送る。
