ポケマス:主人公&コバルオン 評価

ステータス

  • 主人公&コバルオン
  • レアリティ:5
  • タイプ:かくとう
  • ロール:サポート
  • 弱点:ほのお
  • 入手:BPバディーズ呼出券S

ざっくり評価

■長所

  • マスターパッシブスキルが強力
  • いわくだきで味方の火力に貢献する
  • クリティカットG+が優秀
  • 妨害解除が便利
  • 実装時点で他に優れたかくとうサポートがいないので相対的に価値が高い

■短所

  • こうげき/とくこう/とくぼうバフがない
  • (たぶん)入手が困難なのでわざレベルを上げるのが難しい

わざ

いわくだき
  • ゲージ:2
  • 分類:物理
  • タイプ:かくとう
  • 威力:46-55
  • 命中:100
  • 対象:相手1体
  • 効果:ときどき相手の防御をさげる

 50%防御ダウン。パッシブスキルにダウン確率上昇1があるので確定ダウンになる。わざレベル3が必要だが、バディストーンボードの「いわくだき:P技ダウンG4」で50%の確率で全体防御ダウンになる。非常に優秀。

クリティカットG+
  • 回数:2
  • 対象:味方全員
  • 効果:味方のバディーズ全員の急所率をぐーんとあげる

 最近は珍しくもなくなってきた全体急所2段階バフ。相方候補のサイトウ&ネギガナイトが2段階まで自前で急所を上げられるので、そこを補う形となるか。

せいなるつるぎ
  • ゲージ:3
  • 分類:物理
  • タイプ:かくとう
  • 威力:90-108
  • 命中:100
  • 対象:相手1体
  • 効果:相手のあがっている能力を無視して攻撃する

 アタッカーならともかくサポートで使っても仕方ない。まだアイアンヘッドあたりの方が使い道があった。

鉄紺の正義
  • 回数:2回
  • 対象:-
  • 効果:味方全体の場をわざゲージ加速状態にする 味方のバディーズ全員の防御をぐーんとあげる

 素早さはパッシブスキルの「P技後素早さアップG4」である程度補えるが初速が欲しい、そんなかゆいところに手が届くわざゲージ加速。防御アップも優秀。ボードの「鉄紺の正義:わざ後防御アップG1」を取ると3段階上昇になって2回で済む。
 

バディーズわざ:鋼の正義で貫くファイティングインパク

  • 分類:物理
  • タイプ:かくとう
  • 威力:250-300
  • 対象:相手1体
  • 効果:追加効果なし

 特になし。

パッシブスキル

  • かくとうのカリスマ:味方のバディーズ全員の技の威力を10%あげる(他のかくとうバディーズ1体につきさらに+5%)味方のバディーズ全員の技で攻撃を受けたときのダメージを10%軽減する(他のかくとうバディーズ1体につきさらに+2%)

 マスターパッシブスキル。ダンデ&リザードンの「ガラルの先導」と違いタイプ統一パを組みやすく、かくとうのチームスキルと共存が容易なので素晴らしく強い。

  • P技後素早さアップG4:ポケモンが技をつかったときにときどき味方のバディーズ全員の素早さをあげる

 素早さバフの技がないと思ったらパッシブでカバーできた。運次第かつ初動が遅いため完璧とは言わないが、ゲージ加速もあるし十分。

  • ピンチ時HP回復4:バトル中に1回だけピンチのときに自分のHPを回復する

 あるとうれしい。

  • ダウン確率上昇1:技の追加効果で能力値を下げるときの成功率をあげる

 いわくだきが確定防御ダウンになる。サポートとしての役割を完全に果たしながら火力にも貢献するテクニカル的な挙動ができるのは偉い。

ステータス比較

バディーズ HP 攻撃 防御 特攻 特防 素早さ
スモモ&チャーレム 578 139 202 130 202 265
主人公&オコリザル(タマゴ) 601 199 203 199 203 216
主人公&コバルオン 618 197 245 126 226 262

 主人公&オコリザルは星5までのびしろで上げてタルトも全部食わせた数値。コバルオンが抜きんでて強いというほどでもないが、星5だけあって多少は高めという感じ。

総評

 星5としては控えめなステータスを補って余りある優秀な技&スキル構成。マスターパッシブスキルは今後かくとうタイプのバディーズが実装されるたびにさらに強くなっていく上に汎用性の高いサポートロールなので将来性も抜群。BPがどれくらいのペースで溜まるかは現時点で不明だが、積極的に取りに行きたいバディーズだ。

編成

 かくとうアタッカーの決定版であるサイトウ&ネギガナイトはほぼ確定として、残り1枠をどうするか。スモモ&チャーレムは流石にパワー不足。3体並べるとそこそこ硬くなるのでダブルアタッカー編成も悪くないが、コルニ&ルカリオもミツル&エルレイドも自バフが貧弱で味方の攻撃/特攻を上げられないコバルオンとは相性が微妙。……キズぐすり持ちのトウキか?流石にないか。

ポケマス:タマゴ産ポケモンのステータスはロールごとに同一

 タマゴ産のポケモンは星1なのでステータスが非常に低い。タルトやのびしろで底上げできるが入手数が限られているので無駄に使いたくない……。そんなあなたに。

タマゴ産ポケモンのステータス

 タマゴ産のポケモン最終進化形は、一部の例外を除いて、ロールごとに、すべて同一となる。

いずれもLv135時点 アタッカー テクニカル サポート
HP 301(298) 430(433) 321
こうげき 205 96 119(120)
ぼうぎょ 63 43(44) 63
とくこう 205 96 119(120)
とくぼう 63 43(44) 63
すばやさ 152 238 76

■一部の例外

 ポケモンは進化するごとにステータスが変わるので、たぶんその辺の端数調整とかで誤差が出ているのだろう。ちなみにゴルバットイワーク、エレブーといったポケモンもこのステータスなので、金銀以降が追加されても進化しない可能性が高い。
 しかしこうして見るとテクニカルのステータスの異様な低さとサポートの何故か高いこうげき・とくこうが目につきますね。どういうデザインなんだ。

タルト、のびしろによる補強

 すべてのポケモンはその星の数に応じた「のびしろ」で強化できる。また、タマゴ産のポケモンは友情レベルに応じた「タルト」によって特定のステータスを上昇させることができる。

  • のびしろ:1つ与えるごとにHPを2、それ以外の能力を1上昇させる*1。星1~星4のびしろを使って星5まで上げれば+160/+80。星5のびしろを与えて最終強化すれば+200/+100となる(そこまでやるか?)。
  • タルトによる上昇はロールによって異なる。友情レベル3まで上げることで、該当するステータスを+120/+60できる。
    • アタッカー:1つ与えるごとにHPを+2、こうげき/とくこう/すばやさを+1。
    • テクニカル:1つ与えるごとにこうげき/ぼうぎょ/とくこう/すばやさを+1。
    • サポート:1つ与えるごとにHPを+2、ぼうぎょ/とくぼう/すばやさを+1。


 このリザードンはタルトをすべて、のびしろを星4まで与えている。321/120/63/120/63/76に上述の補正がかかり、321+160+120=601、120+80=200、63+80+60=203、76+80+60=216となっている。
 タルトと星4までののびしろをすべて与えたステータスは以下のとおり(もしあなたが星5のびしろを与えたい場合は、各ステータスにさらに+40/+20してほしい)。

いずれもLv135時点 アタッカー テクニカル サポート
HP 581(578) 590(593) 601
こうげき 345 236 199(200)
ぼうぎょ 143 183(184) 203
とくこう 345 236 199(200)
とくぼう 143 183(184) 203
すばやさ 292 318 216

 これがどれくらいの強さかというと、アタッカーは主人公&ピカチュウとだいたい同じくらい。テクニカルは、HPとすばやさはまずまず(すばやさは通常バディーズ全体で62位くらい)だが、それ以外のステータスはアンズ&アリアドス程度。サポートはまあまあ硬くて、耐久ステータスだとトップ50に入るか入らないかくらい。もちろん通常バディーズはさらにのびしろやバディストーンボードで伸ばせるのでそれに比べるべくもないが……。

 タマゴポケモン自体の性能評価はそのうち別記事でやりたいと思う。

*1:例外的に、元々の星の数が5のバディーズに星5のびしろを与えるとこの倍上昇する。

ポケマス:トレーナーとポケモンの組み合わせが違うバディーズの実装(BPバディーズ呼出券)

 第21回プロデューサーレターが公開された。
pokemonmasters-game.com

 伝説のポケモンであるグラードンカイオーガの実装をほのめかす内容、ストーリー完結後の気になる内容もさながら、私が気になったのはこれだ。

仲間にできるバディーズのご紹介
「BPバディーズ呼出券」「BPバディーズ呼出券S」で仲間にできるバディーズの一部をご紹介いたします。
主人公&レジロック
ヒガナ&ボーマンダ
マツバ&ムウマージ

 さらっと紹介されているが、これはポケモンマスターズというゲームの根幹を揺るがす新情報である。

原作ありきのゲーム

 ポケモンマスターズに登場する「バディーズ」は歴代ポケットモンスターシリーズからトレーナーとポケモンを組み合わせることで成り立っている。サービス開始から1.75周年くらい経った現在、ポケマスオリジナルの非モブトレーナーは主人公を含め5組*1しかいない。それ以外は全部原作キャラであり、限りある原作キャラのストックで食いつないでいるのが現状であった。その原作ストックもマジコスや季節限定衣装といったバージョン違いで水増しすることにより実質的に2倍3倍として扱う……メギド72でいうリジェネレイトのようなことをしていて、果たしてキャラが全部出切るのはいつかなと考えたりもした。

バディーズ入れ替え

 そこに、これである。いきなりレジロックとかいう準伝をぶち込んできたのは置いておくとして*2ボーマンダはゲンジ、ムウマージはメリッサが既にバディとして実装されている。既にトレーナーもポケモンもモデルが実装されているので、新規バディーズでありながらモデルを作る手間がかからない。しかも「このトレーナーはこのポケモンしか使えない」というバディーズシステムいまいちなところを解消している*3
 これまでポケモンが複数のトレーナーにまたがる事例はあったが(レッド&リザードンとダンデ&リザードンなど)、トレーナーに関しては、一部例外*4を除いて「1体のポケモンに固定されてしまう」という難点があった。これはポケモンマスターズの世界観における「バディーズ」というシステム上仕方のないことであるが、「マチスマルマインかあ。マチスライチュウも見たかったな」みたいな原作ファンがいたのもまた事実。そういったニーズを満たしてくれる可能性のある機能が今回のBPバディーズ呼出なのである。同時にポケモン側も別の側面を実装できるという利点もある。例えばゲンジ&ボーマンダはサポートロール、つまり支援型だが、ヒガナ&ボーマンダは原作よろしくアタッカーといったことも可能なわけだ。

強いことを期待したい

 実装システム自体は非常に画期的だが、ひとつ懸念があるとすれば強さだろう。プロデューサーレターを読む限り、BPバディーズは配布バディーズのようである。他の配布バディーズの例で言うと、タマゴポケモンはいずれも星1で明確に弱くデザインされており、イベントで配布される伝説のポケモンは、星5ながら強さにムラがあった(最近は強く設定されていることが多い)。ストーリーで配布されるバディーズもピンからキリまでいて、一部のバディストーンボードが開放されているバディーズは極めて有用である一方、いまだにボードが開放されず性能も微妙な立ち位置のものも多い。
 ソシャゲなのでガチャ産より配布の方が弱くなる傾向に理解はできるが、せっかく既存バディーズのバージョン違いを実装するんだからきっちり使える性能で実装してほしいなあと思う。

最後に

 マツバ&ムウマージを真っ先に出してくるあたり、運営もやっぱり気にしてたんじゃねえか!となったのは私だけじゃないだろう*5

*1:主人公、チェッタ、ドリバル、ライアー、キリヤ。しかも主人公以外は現時点で非プレイアブルだ。

*2:ジンダイ辺りに持たせる択はなかったのだろうか。

*3:絆を結んだポケモンがぽんぽん増えるのもそれはそれで問題ありそうだが。

*4:先述の衣装違いバージョンのこと。マジコスとか。

*5:メリッサ&ムウマージを先に実装してしまったため、ポケモンかぶりを避けるために苦肉の策としてフワライドとバディーズになっていた。

『サプライズニンジャ理論』のルーツがわからずモヤモヤしていたので調べた

3行まとめ

  • 『Fleabag: The Special Edition』に収録されているPhoebe Waller-BridgeとVicky Jonesの会話に登場する。
  • 「Surprise Ninja」と呼ばれているルールである(彼女たちが発案者であるかは不明)。
  • 「あるシーンで、そこにサプライズニンジャが突入してきて全員と戦い始める方がよくなるようであれば、それは十分によいシーンとは言えない」

出典

 『Fleabag: The Special Edition』に収録されているPhoebe Waller-BridgeとVicky Jonesの会話に登場する。

 『Fleabag』は脚本と主演をPhoebe Waller-Bridgeが務めるイギリスのコメディドラマ。これはそのファンブック+台本のようなもの。
 当該項目のタイトルは「A Conversation Between Phoebe Waller-Bridge and Vicky Jones」で、末尾に2019年8月とある。本書の発売は2019年8月29日。ネットで確認できる他の情報(『Fleabag』のファンポッドキャスト*1ツイッター上での言及)もこれ以後であるようなので、これか、またはこの元の会話(他のメディアで確認できるかは不明)がオリジナルと見て間違いなさそう。ただし彼女たちが考案者であるかどうかは読み取れないため、類似のルールが監督業界に口伝されている可能性はある。
 

余談

 日本だといろんな文脈が乗るから本来の趣旨から外れるだろうという意見も散見されるこのルールだが、実際彼女たちも"Tough rule, but an effective one."と言っているので、ニンジャが突然出てきて好き勝手やると実際面白いというのは共通認識であるようだ。「それまでの流れを無視してめちゃくちゃやると面白いけど脚本家はもっといい展開を考えた方がいい」教訓という意味ではデウス・エクス・マキナの親戚みたいなものか。
 ちなみに『Fleabag』にはそのものずばりNinja Surpriseというシーンが存在する。「忍者の格好をして包丁を持ってシャワー浴びてる男の後ろから襲い掛かったらめちゃくちゃビビられてしまう」というなんともアレなシーンだ。
www.youtube.com

*1:Surprise Ninja Ruleでググるとこのポッドキャストの文字起こしをしたサイトがヒットする。

ダブルクロス:GMに依存するルールや効果はどうかと思う話

 ルール考察でもなんでもなくただの思考整理。別にこれを書いたところで何が変わるでもない、ひとりのユーザの意見と思ってもらえれば。
■追記
 一応言っておくと、「喚起魔術の効果が定義されていないのは原作準拠なのでこれでよい」とか「GMにおもねる部分が多いほうが好きにできて自分は好きだ」とか言う人を否定するつもりはありません。あくまで個人の感想なので。
 また、賢明な読者の諸兄であれば書くまでもなくご理解いただいているかと思いますが、私は一介の素人、対してダブルクロスの作者はプロなのですから、私がいくらその内容を不合理で怠慢だと感じたとしても、作品として世に出ている以上は、そこはプロなりの考えをもって出版されているものだということは大前提であり公然の事実ですので、上にも書いたとおり単なる意見として読んでください。

はじめに

 ダブルクロス The 3rd Editionの待望の新サプリメント『クロウリングケイオス』(以下「CRC*1)が発売となった。その中のひとつの要素を取り上げつつ、前々から思っていることに触れたいと思う。
 CRCクトゥルフ神話、もっと言えば『クトゥルフ神話TRPG』の要素をダブルクロスというゲームに取り入れるためのサプリメントである。原作における正気度判定を模した恐怖判定や神話生物など多くのエッセンスが移植されており、その中でも特に力が入っているのが「魔術」のルール。驚くべきことに、術式のデータは実に8ページにわたる71種、それを使うための魔導書も35種収録されていて、力の入れ具合がうかがえる。
 しかしながらその内実として、効果を見ると「GMが判断する」「GMが決める」といったように定義されていない部分が多くみられる。18種存在する喚起魔術に至っては、設定されているのが使用するためのコストや難易度、フレーバーのみで、効果はすべてGMが決定することとなっている(p.105)。あまつさえ「術式の効果の多くは、イージーエフェクトと同様に曖昧でGMとプレイヤーの判断に委ねられるものが多い。」(p.105)と自ら断言していることからもこれはこういうデザインのものであるわけだが、それってゲームとしてどうなのよという点について話していく。

理由

 GMに依存する効果が何故ゲームに悪影響を及ぼすのかについて、私の考える理由は以下のとおり。なおCRCのほかにも、例えば『ユニバーサルガーディアン』等に収録されている「GMの許可が必要」なエンブレムデータもこれに類するものである。

1. 手間である

 使用するたびにGMに許諾・確認を取る必要があり、手間である。また、PL・GM双方に「判断」という労力を強要する。
 「いいですか」「いいです/ダメです」で済むじゃんと思われる方もいるかもしれないが、最初から効果が決まっていれば不要な手続きであり、そのひと手間が無駄である。特に喚起魔術はその内容を考えるという大きな手間をGMに取らせることとなる。

2. ゲームとしての普遍性が失われ、フェアでない

 GM(卓)によって処理が異なるため、ゲームとしての普遍性が失われる。ゲームをゲームとして成り立たせているものがルールであり、そのルールは共通認識によって成り立っているが、GM依存の効果にはその前提が適用されない。言わばローカルルールを強制的に作らせるようなものである。ローカルルールは、特にコミュニティやコンベンションなどで不特定のユーザと交流する際に明確に妨げとなるものであり、極論を言えばTPRGを普及する上での障害にすらなりうる。初心者に「ルールは決まってないけど、うちではこうしてるよ」などと説明にならない説明をする羽目になる。
 GMに従うのがゴールデンルールであるという大前提はわかった上で言うが、それは『ルールブック1』にもあるとおりルールの不備等によって発生した不測の事態を収束させるための最終手段であって、最初からGMに効果を丸投げするようなものではない。

3. 適切なリソースを支払って得たデータの内容が担保されないというのは、ゲームが破綻している

 ルールに則って作成したデータの一部をGMの一存で使用不可とされたらどのように思うだろうか?もちろん、TRPGである以上は、例えば屋内で大型のヴィークルは使用できないだとか、周囲の一般人に影響があるから《ワーディング》は使えないだとか、そういったシチュエーションごとの制約は発生するだろう。しかしそれはあくまでロールプレイ上の制限であってルールの制限ではない。ところが、召喚魔術によって召喚された神話生物はGMの判断で召喚者を裏切ってもよいことがルール上で確約されているし、《死者蘇生》で蘇生したキャラクターが“場合によっては”他人が唱えた逆呪文で死亡することもある。……「そんなデータ誰も使わないだろ」「フレーバーなんだから細かいこと気にするなよ」と思われる方もいるかもしれないが、それこそデータへの冒涜である。じゃあ何のためにこれはここに書いてあるのだ。
 なおこの点については、例外的にやむを得ない処置もあるとは思う。例えば《インスピレーション》(EA p.89)はTRPGというゲーム自体に介入するメタ的な効果であり、ともすればセッション自体を崩壊させかねないため、GMの判断で打ち消してもよいというのは妥当な措置だろう(それゆえに、非常に扱いの難しいエフェクトとなっているわけだが)。イージーエフェクトも、個人的にはもう少しはっきりしてもらった方が扱いやすいとは思うが、最初からフレーバー付けという意味合いが強く、戦闘にも影響せず、コストも安い――つまり、ゲームへの影響が少ないため、ロールやGM判断で効果を処理しても、そこまで違和感はない。

4. そもそもこれらの効果が存在しているゲーム上の意義が不明である

 これがゲームのルールブックである以上、ルールは設定されていて然るべきである。ではなぜこのような効果が存在するのか?
 非常に強力な効果だから?だったらコストを適切に設定すればよい。設定上の扱いが難しいから?それこそ、こういったフレーバーをいかにしてゲームデータに落とし込むかはゲームデザイナーの腕の見せ所だろう。ゲームに幅を持たせたいから?それは幅じゃなくて虚無だ。TRPGにおける自由というものはルールがあって初めて成り立つものであって、ルールが設定されていなければ単なる無法にすぎない。
 結局のところ、これはクトゥルフをちゃんとダブルクロスにできなかった部分をユーザに丸投げしているだけの作者の怠慢なのではないかと、そう思ってしまうのも無理からぬことではないか。神話生物が常に召喚者の言うことを聞くわけではないという不安定さを表現したいのであれば、例えば「命令時に判定が必要で、失敗した場合はGMに従う」というようなデータ面での解決をするのがゲームであって、「神話生物を完全にコントロールできると考えるのは人間の思い上がりである。」などというかっこいいフレーバー・テキストではセッションの何の助けにもならない。

総括:ひとりのユーザとして願うこと

 いろいろと書いたが、特に1と2の理由はルール上の不備にも通じるものである。顧客が対価を支払って得た商品を使用できないような不足があったらそれは商品としての欠陥だ。ルール上の不備を補うのがゴールデンルールだが、それは不備を放置していい理由にはならない。
 CRCGMに処理を丸投げするテキストはもうすでにエラッタやFAQでどうにかなる域を超えているのでどうでもいいが、せめてルール上の不備に関する問い合わせがあったら、真摯に受け止めて、twitterの公式関係者が口にしているように、エラッタやFAQに反映していただきたい。もちろん、こんなチラシの裏に書いても仕方がないので、不明な点はきっちり公式のメールアドレスに問い合わせするつもりだ。
http://www.fear.co.jp/index.htm>ご利用案内/各種お問い合わせ>各種お問い合わせ/よくある質問について

*1:これまで2文字の略称だったのになぜ突然3文字なんでしょうね。

ポケマス:ヒガナ&レックウザ 評価

ステータス

  • ヒガナ&レックウザ
  • レアリティ:5(EX未開放)
  • タイプ:ドラゴン
  • ロール:特殊アタッカー
  • 弱点:いわ
  • 入手:イベント配布

ざっくり評価

■長所

  • 攻撃面のステータスが優秀
  • 物理、特殊の両面で攻撃できる
  • りゅうせいぐん」「げきりん」共に威力が高い
  • りゅうせいぐん」の命中不安をボードで補える
  • げきりん」のデメリットを混乱無効のボードで打ち消せる
  • イベント配布なのでわざレベル5、のびしろ20が容易

■短所

  • 真価を発揮するには天候パが必須だが、天候パに居場所がない
  • 「想像力を働かせて」のデメリットが厳しい
  • 急所バフがない
  • ドラゴンタイプのアタッカー自体が激戦区であり、手持ちが揃っていれば他に見劣りする

わざ

げきりん
  • ゲージ:3
  • 分類:物理
  • タイプ:ドラゴン
  • 威力:115-138
  • 命中:100
  • 対象:相手1体
  • 効果:自分をこんらん状態にする

 威力そこそこ、命中安定の物理攻撃。これを主軸とする場合ポテンシャルで混乱無効を厳選するのが半ば必須とされていたところ、ボードで混乱無効を取れるようになったため使い勝手が劇的に改善した。

つばめがえし
  • ゲージ:2
  • 分類:物理
  • タイプ:ひこう
  • 威力:45-54
  • 命中:-
  • 対象:相手1体
  • 効果:攻撃が必ず命中する

 せっかくレックウザなんだから「ガリョウテンセイ」とか、天候シナジーのある「ぼうふう」とかじゃダメだったの?という悲しみのひこうタイプ枠。威力に期待して使うことはまずない。
 ボードで40%特攻アップや40%急所率アップの効果を付けられるようになった。せめて100%なら……。

想像力を働かせて
  • 回数:2回
  • 対象:自分
  • 効果:自分のひるみ状態やこんらん状態やバインド状態を解除する 自分の攻撃と特攻をぐーんとあげる 自分の素早さと命中率をあげる 自分の防御と特防をがくっとさげる

 「げきりん」のデメリットケア、「りゅうせいぐん」の命中ケアをしつつ攻撃と特攻を2段階上昇できるのは優秀。優秀なのだがデメリットがきつすぎる。レアリティの差こそあれ「マジコスレッド&リザードン」や「ダンデ&リザードン」のトレーナーわざと比べると悲しくなる。1段階ダウンじゃダメだったのか?
 ポテンシャルで「全ダウン耐性9」を取ってなんとか誤魔化しながら使うか、いっそ「ワタル&カイリュー」のごとく自前バフを持たないものとして運用するか。

りゅうせいぐん
  • 分類:特殊
  • タイプ:ドラゴン
  • 威力:136-163
  • 命中:90
  • 対象:相手1体
  • 効果:自分の特攻をがくっとさげる

 高火力高デメリットのおなじみメイン火力。特殊アタッカーなのに特殊技が1つしかない。「げきりん」と違いこちらはデメリットをボードで打ち消せない*1ため、メインで使うにはポテンシャルで「特攻ダウン無効」を取りたい。
 なお「命中率アップ+5」のボードが2つあるため、そちらにパワーを割けば命中不安は解消できる。「想像力を働かせて」とどちらを使うか取捨選択が必要。

バディーズわざ:みんなを守る祈りのりゅうせいぐん

  • 分類:特殊
  • タイプ:ドラゴン
  • 威力:250-300
  • 対象:相手1体
  • 効果:追加効果なし

 バディーズわざは特殊。「げきりん」をメインに運用する場合、分類が違う点に留意したい。

パッシブスキル

  • 天気変化時威力上昇3:天気が変化しているときだけ技の威力をあげる

 原作のエアロックとは打って変わり、むしろ天気を味方につけて戦うようになった。「砂嵐時威力上昇3」などの上位互換に相当するスキルだが、ほのおやみずタイプと違って天気で威力が上がる技もなく、かといって砂嵐やあられのダメージを無効化できるパッシブスキルやボードがないので、天候パに入れて活躍できるかというと微妙なところ。ボード追加されたのになぜ……。今後、天候を操るドラゴンタイプのバディーズ(キバナとか?)が出てくると評価が変わってくるかもしれない。
 また、地力が低いので微妙だが、「イブキ&キングドラ」もドラゴンタイプでありながら雨パ適正のボードを持っているため、「ドラゴン・アタッカー」のチームスキルを発動させつつの天候パなんかも一応組める。

ステータス比較

バディーズ HP 攻撃 防御 特攻 特防 素早さ
イブキ&キングドラ 590 258 152 327 153 256
アイリス&オノノクス 467 281 148 71 111 180
アイリス(アナザー)&サザンドラ 635 392 186 392 186 269
ワタル&カイリュー 542 427 167 426 168 255
ジコスシロナ&ジャラランガ 504 380 156 392 156 195
ヒガナ&レックウザ 526 363 142 363 142 244
アカギ&パルキア 656 269 134 282 134 198
ルチア&チルタリス 630 313 194 350 232 238
ルチア&メガチルタリス 630 313 194 419 278 238

 現状実装されている9+1体のドラゴンバディーズのうち実に6体がアタッカーで、テクニカルの2体もそこらのアタッカーを凌駕するステータスを持っているという激戦区ぶり。ヒガナ&レックウザは「フェス限よりは弱いが、その他よりは強い」といった位置づけ。

総評

 決して性能が悪いわけではないのだが突き抜けたところがなく、他のドラゴンバディーズと比べると見劣りしてしまう。特に同じ伝説イベント配布である「アカギ&パルキア」が癖もなく真っ当に強いだけに風当たりは厳しい。貴重な両刀バディーズなので、レジェンドバトルなどで物理・特殊両面が必要となる場面が今後出てくれば活躍できるだろう。

編成

 晴れパは最強アタッカーがいるから論外として、外付けのバフが欲しいことを考えると「ハルカ&ラグラージ」「マジコスグリーン&カメックス」で囲んで雨パにするのが最も無難か。でもそれだったら素直に水タイプのバディーズを使った方が強い……。
 最初からチームスキルの発動が期待できない「アセロラシロデスナ」と組ませるのもいいかもしれない。

*1:「つばめがえし」でたまに特攻が上がるようになるボードはもしかしてこれのケアなのだろうか?

ポケマス:ハルカ(21シーズン)&ミミロップ 評価

ステータス

  • ハルカ(21シーズン)&ミミロップ/メガミミロップ
  • レアリティ:5(EX解放済み)
  • タイプ:ノーマル/かくとう
  • ロール:物理アタッカー
  • 弱点:かくとう
  • 入手:季節限定バディーズサーチ

ざっくり評価

■長所

  • メガシンカ前の技が(サポートとして)全体的に優秀
  • メガシンカ後の攻撃が高い
  • とびひざげりの威力が高い
  • 味方にバフをかけたうえで攻撃に出るという唯一無二の動きができる
  • 攻撃バフが足りている

■短所

  • かくとうアタッカーとして見た場合、メガシンカしてからが本番なので速攻に向かない
  • サポートとして見た場合、耐久面が貧弱
  • わざゲージアップが弱い
  • 急所バフがない
  • 「ノーマル・アタッカー」のチームスキルはノーマルの技にしか乗らないので実質的に死んでいる

わざ

ずつき
  • ゲージ:2
  • 分類:物理
  • タイプ:ノーマル
  • 威力:53-63
  • 命中:100
  • 対象:相手1体
  • 効果:たまに相手をひるみ状態にする(メガシンカ後「わざゲージアップ」になる)

 30%ひるみ。メガシンカせずにサポートとして運用するならターン送りとして優秀。

キズぐすり
  • 回数:2
  • 対象:味方1体
  • 効果:味方のHPを少し回復する

 汎用回復アイテム。ボードに回数回復もある。

ディフェンダーG

 汎用防御バフ。ボードに回数回復もある。

もこもこキュートに
  • 回数:2回
  • 対象:-
  • 効果:自分がミミロップの場合は味方のバディーズ全員の素早さをぐーんとあげる 自分がミミロップの場合は自分の回避率をぐーんとあげる 自分がメガミミロップになっている場合は自分の命中率をあげる 自分がメガミミロップになっている場合は自分の回避率をぐぐーんとあげる

 メガシンカすると性能が変わる。貴重な全体素早さ2段階バフが優秀で、基本的にはこれを2、3回使ってからメガシンカすることになるものと思われる。メガシンカ後に使えばとびひざげりの命中不安をなくせるが、ただでさえ初動が遅いアタッカーがメガシンカしたあと命中バフに1ターン費やしていられるか?という問題がある。回避バフもオマケとしては弱い。これが急所バフだったら……。サポートとして運用するなら耐久面の低さを回避で補えて便利かもしれない。

わざゲージアップ
  • 回数:2回
  • 対象:自分
  • 効果:自分のわざゲージを3増やす

 雑にわざゲージアップを搭載して茶を濁すバディーズが最近多い気がする。ゲージ確保という効果自体は弱くないけど単体だと弱い。

とびひざげり
  • 分類:物理
  • タイプ:かくとう
  • 威力:135-162
  • 命中:90
  • 対象:相手1体
  • 効果:攻撃が失敗すると自分の最大HPの半分のダメージを受ける

 メイン火力。インファイトより数字が出る上にデメリットも当てさえすれば関係ないので優秀。ボードに命中補正のパネルがないので命中バフをかける必要がある。90だと2段階で100を超える。一応自前でも用意できるが先述のとおり貴重なターンがもったいないので、可能なら外付けで用意したい。

バディーズわざ:心が弾むドキドキのノーマルインパクト/ファイティングインパク

  • 分類:物理
  • タイプ:ノーマル/かくとう
  • 威力:200-240
  • 対象:相手1体
  • 効果:バトル終了までメガミミロップになる 初めてバディーズわざを使ったあと バトル終了までバディーズわざがかくとうタイプになる

 グラジオシルヴァディに続く2体目の「バディーズわざのタイプが変わる」効果。メガシンカを含むバディーズわざはふつう威力が低く(160-192)設定されているが、元のタイプがノーマルであることから補正がかかり強くなっている。

パッシブスキル

  • B技後B技タイプ変化:初めてバディーズわざを使ったときだけバディーズわざのタイプが変化する

 バディーズわざのテキストにもタイプが変わると書いてあるのだからパッシブ枠1つ使わなくてもよいのでは?という気がする。もちろんメガシンカ後は死に枠。実質的な「かくとうチェンジ」か。

  • 被攻撃時わざゲージ↑5:技で攻撃を受けたときにたびたび自分のわざゲージを1増やす(メガシンカ後「攻撃時わざゲージ↑5」に変化)

 タンク役を担える耐久はないので微妙。全体攻撃を受けたときに使えるかもというくらい?

  • B技後攻撃アップ6:初めてバディーズわざを使ったときだけ自分の攻撃をどっかーんとあげる

 技に攻撃面のバフがなくて何かと思ったらパッシブに付いていた。自動的に6段階確保できるのは優秀。

  • 攻撃時わざゲージ↑5:技での攻撃が成功したときにたびたび自分のわざゲージを1増やす

 そこそこ優秀な消費ゲージ軽減。ボードにも「とびひざげり:わざ後わざゲージ↑2」があるため技回しは快適な部類。

ステータス比較

バディーズ HP 攻撃 防御 特攻 特防 素早さ
コルニ&メガルカリオ 474 437 135 341 111 220
ミツル&メガエルレイド 489 435 129 388 156 232
ハルカ(21シーズン)&メガミミロップ 600 405 147 238 159 333

総評

 とにかく前例のない性能をしているため単純比較ができない。ヒカリ&ドダイトスやマジコスグリーン&カメックスのように「攻撃できるサポート」はいたが、攻撃する前に味方にバフをかけてバディーズわざでシフトするアタッカーは全くの新機軸。とにかく速攻で相手を削る必要のあるチャンピオンバトルのエリート攻略などではミツルあたりに軍配が上がりそうだが、バフが優秀なので初速を必要としないクエストでは安定感が高い。
 またメガシンカ前の技構成が完全にサポート、というかフウロスワンナとほぼ同じなのでそのまま運用しても十分使えそうである。

編成

 攻撃と素早さバフを自前で用意できるためほしいのは急所と可能なら命中。おそらくセットでの運用をデザインされているであろうアーティ(21シーズン)&トゲピーはちょうど両方を用意できて耐久面も足りているので好相性。2体でバフが十二分に足りるので残り1枠は相手にデバフをかけつつフェアリーのチームスキルを発動できるヒカリ(21シーズン)&マホイップや回復面をさらに補強できるエリカ(20シーズン)&キュワワーなどがいいだろうか。いずれも季節限定バディーズなのでチームスキルも発動できる。……編成難度が異様に高い点に目をつむれば。